インターロイキン-33(IL-33)を標的としたがん微小環境の改善による大腸がん悪性増殖の抑制を報告

2016年12月5日

 医学部医学科生命科学講座 秋元美穂助教、竹永啓三准教授の研究グループが、大腸がんの腫瘍増殖・転移にインターロイキン-33(IL-33)に対するデコイレセプター(sST2)の発現低下が関与することを世界に先駆けて明らかにしました。
 この研究は、本学医学部医学科器官病理学講座 丸山理留敬教授及び国立がん研究センターのグループと共同で、文部科学省、日本学術振興会の科学研究費補助金及び島根大学重点研究プロジェクト等の支援を受けて行ったもので、2016年11月24日付けの英科学誌 『Nature Communications』電子版に掲載されました。

(研究成果のポイント)

  • 大腸がん細胞株でのインターロイキン—33(IL-33)デコイレセプター(sST2)の発現が増殖・転移能と逆相関することを見出した。
  • 術後大腸がん転移巣や病期の進んだ患者血清中でsST2量の減少が認められた。
  • 悪性度の低い大腸がん細胞から分泌されたsST2が、腫瘍組織中に存在するIL-33によって誘導される腫瘍血管新生、ヘルパーT細胞の分化、マクロファージの腫瘍内浸潤と腫瘍随伴マクロファージ(TAM)への分化を抑制していることを見出した。
  • 転移能の高い大腸がん細胞を移植した実験動物に組換えsST2-Fcタンパク質を発現あるいは投与すると増殖・転移が抑制された。

(論文情報)
雑誌名:Nature Communications
論文タイトル:Soluble IL-33 receptor sST2 inhibits colorectal cancer malignant growth by modifying the tumour microenvironment
著者:(*責任者)Miho Akimoto, Riruke Maruyama, Hiroyuki Takamaru, Takahiro Ochiya, Keizo Takenaga*
DOI番号:10.1038/ncomms13589
URL:http://www.nature.com/articles/ncomms13589 

 

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