島根県のがん登録は島根県がん診療ネットワーク協議会が島根県と協力をして実施しています。島根県がん診療ネットワーク協議会の事務局である島根大学医学部附属病院では、島根県内の院内がん登録を実施している医療機関からデータを提出していただき、『島根県院内がん登録報告書』を島根県と協力して作成し、がん医療の分析、評価に利用していただくよう、提出医療機関向けに報告書を提供してきました。
　島根県がん診療ネットワーク協議会で、昨年度がん診療の質の向上とがん患者の支援のため、院内がん登録の報告書の公開に向けて準備することが決まり、島根県がん登録部会と島根県がん登録実務担当者研究会で、県民のみなさまにもご理解いただけるようなわかりやすい報告書にするように検討をしてまいりました。本年3月19日に開催された島根県がん診療ネットワーク協議会で公開することに賛同が得られましたことを受け、この度2011年分の『島根県院内がん登録報告書』を本院と島根県のホームページに掲載して公開しましたので、がん患者さんとそのご家族、医療関係者をはじめとします県民のみなさまにご覧いただけるようになりました。毎年新しい年次の院内がん登録報告書を公開していく予定です。
　島根県がん診療ネットワーク協議会会長である鈴宮腫瘍センター長は「この報告書が公開されたことにより、がんに対する関心が一層高まり、がん検診を受診される方が増え、そのことによってがんで亡くなる方が少しでも減ることを期待しています。」と述べました。

≪今回のデータ提出医療機関13病院≫
都道府県がん診療連携拠点病院（厚生労働省より指定）
             国立大学法人島根大学医学部附属病院
地域がん診療連携拠点病院（厚生労働省より指定）
             松江赤十字病院
             松江市立病院
             島根県立中央病院
             独立行政法人国立病院機構浜田医療センター
がん診療連携推進病院（島根県独自の指定）
             益田赤十字病院
がん情報提供推進病院（島根県独自の指定）
             独立行政法人国立病院機構松江医療センター
             益田地域医療センター医師会病院
             総合病院松江生協病院
             安来市立病院
             町立奥出雲病院
             済生会江津総合病院
             隠岐広域連合立隠岐病院

--院内がん登録とは---------------------------------------------------
　がん登録には2種類あり、一つが『地域がん登録』で、今回発表した『院内がん登録』とは異なります。『院内がん登録』は病院で診断や治療を受けたすべての患者さんのがんについての情報を、診療科を問わず病院全体で集め、その病院のがん診療がどのように行われているかを明らかにする調査です。上記のように島根県では国指定の５つのがん診療連携拠点病院と県独自指定病院のがん診療連携推進病院や一部のがん情報提供促進病院が実施しています。

（記者会見の様子）

向かって右より
　牧野医療統括監（島根県健康福祉部）　井川病院長　鈴宮腫瘍センター長　中林診療情報管理士