救急患者搬送時の病院前救護におけるハンズフリー「音声認識記録システム」の実用化【4/30記者会見】

公開日 2015年04月30日

 島根大学と(有)テックシロシステムおよび山陰制御(有)との共同研究により、音声認識システムを構築し、救急救命士の検証を終え、救急患者搬送時の病院前救護におけるハンズフリー「音声認識記録システム」の実用化の目処が立ちました。
 患者対応で両手が塞がった状態においても、当システムにより処置記録がデータ化されます。さらに、コールバックシステム(処置報告内容の確認や、心肺停止時の薬剤投与時刻の予告など)により、救急車内での処置を支援します。今後、当システムを機能拡張し、搬送先の医師へリアルタイムに患者の病態が伝わることによって、搬送先医療機関も的確な受入準備ができ、救命率の向上が期待できます。

 救急救命士の役割は、救急現場において、患者に対する確認事項、搬送先医療機関への連絡、医師との会話、患者処置記録など多岐に渡ります。救急車の中で対応者は、ゴム手袋をはめての対応となる為、端末の操作など手が塞がる仕組みは救急処置に専念し難く、また走行中に時間経過や処置内容等の搬送記録を手書きで残すのは容易ではありません。一刻を争う救急現場での適正な対応は、救急救命士にとってハンズフリーやアイズフリーが好ましく、煩わしい端末操作や記録メモ等の手間からの解放による患者搬送の専念が求められます。患者対応で両手が塞がった状態においても、処置記録がデータ化され、搬送先の医師にリアルタイムに伝わり、それによって医師から適正な指示が得られ、搬送先医療機関も的確な受入準備ができ、これにより救命率の向上が期待できます。
 なお、音声文字化手段による救急医療情報通信ネットワーク(救急隊員、搬送先病院の指示指導医師および消防指令本部)については、特許申請済みです。

 当日は島根大学産学連携センターの中村教授らが会見を行い、今後は、受け入れ側の救急救命センターへの画像送信機能の付加や、数年のうちに商品化を目指す予定としました。


 関連特許
 「救急医療における情報通信ネットワークシステム」 特開2013-152613
 島根大学、テックシロシステム、呉電子計算センター

 

IMG_0492.JPG

向かって左から

テックシロシステム 四郎丸 功(しろうまる いさお)社長、竹田 豊 出雲市消防本部救急救命センター長、中村 守彦 教授、井川 幹夫 病院長、アドバンスト・メディア 坂口 毅雄(さかぐち たけお)部長

お問い合わせ

総務課