山陰初 遺伝性乳がん卵巣がんの診療体制を整えました【8/23記者会見】

2017年8月31日

 当院産科婦人科では、平成29年6月より遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)に対する診療体制を整え、8月に山陰初の「リスク低減卵巣卵管切除術」を実施致しました。

【遺伝性乳がん卵巣がん(Hereditary Breast and Ovarian Cancer:HBOC)とは】
 乳がん、卵巣がんのうち遺伝要因がはっきりわかっているがんの一つです。DNAの修復を司るBRCA1またはBRCA2の遺伝子の変異が発症に関与し、HBOCの家系では何人もの親戚が卵巣がんや乳がんにかかるという現象がみられます。そこで、血縁者の病歴等を詳しく尋ねることがHBOCを発見する契機になります。

【HBOCを診断するための手順と検査法】
 家族歴からHBOCが疑われたり、乳がんや卵巣がんを発症された患者さんでHBOCを心配されている患者さんに対して、当院では遺伝子検査の必要性、検査結果、予防法についての綿密なカウンセリングを行い、希望者には遺伝子検査を受けて頂きます。

【HBOCと診断された場合の選択肢】
 検査でBRCA1、BRCA2遺伝子変異が認められ、出産を終えたHBOC未発症の方に対して、「リスク低減卵巣卵管切除術」が現在のところ最も確実性の高い予防策として推奨されます。卵巣から分泌される女性ホルモンは乳がんの発生を助長するので、卵巣を切除した場合、卵巣がん発症率を80%、乳がん発症率を50%減少させることができます。

 記者会見で、臨床遺伝診療部の鬼形和道部長は、「HBOC診断にあたっては、事前のカウンセリングが必須で大変重要です。患者さんに遺伝子検査の意味等を十分に理解していただけるよう説明の上、希望に添えるようサポートします。」と述べ、産科婦人科学講座の京哲教授は、「当院の診療体制の確立により、HBOCとその治療法についての認知が広がってほしい。」と話しました。


(記者会見の様子)
記者会見の様子

(向かって右から、産科婦人科学講座 京哲教授、井川幹夫病院長、臨床遺伝診療部 鬼形和道部長、産科婦人科学講座 中村康平助教)