山陰初 修正大血管転移症の「ヘミダブルスイッチ手術」に成功しました【10/5記者会見】

公開日 2017年10月13日

 9月6日に当院小児心臓チームが修正大血管転移症の「へミダブルスイッチ手術」に成功し、記者会見を行いました。

 この手術を受けたのは、雲南市在住の石川永和君(1歳6ヶ月)で、1万人に1人の先天性心疾患「修正大血管転移症」を患い、出生直後から、低酸素状態を防ぐため、点滴での治療や動脈管の拡張手術を行ってきました。
 永和君は右心室と左心室が入れ換わって位置する「修正大血管転移症」に加え、心室を隔てる壁の欠損や肺動脈の閉鎖、内臓逆位など10の合併心疾患があったため、今回の「へミダブルスイッチ手術」では5つの手術を順番に行い、左心室から大動脈へ血液が流れるように心室内に隔壁を作成し、右心室から肺動脈へ人工血管で血液が流れるようバイパスを作るなど、正常に血液が流れるようにしました。
 このような高難度の手術は、これまで小児心臓手術専門施設でしか実施されていませんでしたが、当院の小児心臓チームが県内での手術・治療を可能にし、受け入れ態勢が整いました。
 永和君は10時間半を超える手術を乗り越え、低酸素状態も改善し、元気な姿で母親の愛弓さんと記者会見に同席しました。
 愛弓さんは、「近くで安心して手術が受けられた。私たち家族を支えてくださった医療関係者の皆さんに感謝したい」と笑顔で話していました。


(記者会見の様子)
修正大血管転移症ヘミダブルスイッチ手術

手術内容を説明する 心臓血管外科 藤本欣史 講師


石川永和君と母親の愛弓さん
石川永和君と母親の愛弓さん