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呼吸生理検査・詳細

arraw4 一般呼吸機能

 ▼概要

 当院の一般呼吸機能検査は、スパイロメトリーを指します。
 スパイロメトリーは呼吸機能検査の最も基本的な検査法で、X軸に時間、Y軸に患者の肺気量の変化を記録します(SVC)。 スパイロメータなどを用い、肺容積の変化量およびその時間経過を記録することにより、肺活量、1秒量、1秒率などの換気能力を測定します(FVC)。   

 ▼注意事項   

・6歳未満のお子さんは検査不可能です。
・結核または結核が疑われる患者さんはお断りしています。
・飛沫予防策を必要とする病原体(マイコプラズマ、インフルエンザ、風疹など)に感染している、あるいは感染の疑いのある患者さんは検査を控えてください。

arraw4 機能診断

 ▼概要

 スパイロメトリーに加えて、機能的残気量(FRC)と肺拡散能力(DLCO)を検査します。

 DLCOは,肺胞毛細管膜でのガス拡散能を測定することを目的とした検査です。肺拡散能力は一酸化炭素が肺胞から肺毛細血管中のヘモグロビンに結合するまでの拡散輸送の容易さを測定しているとも考えられています。肺拡散能力は肺疾患の診断や気管支喘息と肺気腫の鑑別、肺胞出血と肺水腫の鑑別、間質性肺炎の診断や経過観察などに有用です。DLCOの低下はあらゆる病態や疾患以外に、貧血・CO中毒・喫煙でも低下します。貧血や多血症の場合、データの補正が必要です。

  FRCとは、安静呼気位において肺・気道系に残存する空気量を表します。肺弾性収縮力・胸郭弾性拡張力および肺・胸郭気道系(特に肺・気道系)の粘性抵抗によって定義されます。FRCは肺気腫、気管支喘息で増加し、肺線維症で減少します。

 ▼注意事項   

・検査前の喫煙は避けてください。

 ▼注意事項   

・FRCとDLCOのみでのオーダーはできません。

 

arraw4 呼吸抵抗試験

 ▼概要

 呼吸器系全体の空気の通りにくさを調べます。当院では安静呼吸をして頂くだけで検査可能な機器を使用し、短時間で測定可能なため、患者さんへの負担も軽減できます。また、呼気、吸気の抵抗値変化を3Dカラーで表示でき、より詳細なデータ解析が可能となっています。


 ▼注意事項   

・安静換気にて検査を行いますので、検査直前の激しい運動は避けて下さい。

arraw4 薬剤可逆性試験

 ▼概要

 気管支拡張薬の吸入前後に肺機能を行なうことによって気道可逆性の程度を見る検査です。この検査は気管支喘息など気流制限がある患者さんが対象です。
  当院では、一般呼吸機能と呼吸抵抗に適用可能としています。

 ▼注意事項   

・気道可逆性に影響する薬剤はあらかじめ検査前に中止してください。
・薬剤吸引後の検査は薬剤吸引後15分~30分(30分~60分)後となります。
・薬剤の吸引は、外来または病棟で行って頂きますようお願いいたします。

 

arraw4 終夜睡眠携帯検査

 ▼概要

 終夜睡眠携帯検査とは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のための簡易型PSGのことを指し、口鼻呼吸(サーミスタ法)、呼吸努力(腹部)、SpO2、脈拍、気管音 (いびき)、体位を計測します。

 検査室で検査の説明を聞いたあと、機械(鞄に収納)を自宅に持ち帰り、就寝前にセンサーを患者ご自身で取り付けていただきます。起床後にセンサーを外して、機械を病院検査部へ返却していただきます。 

 ▼注意事項   

・脳波による睡眠状態の確認は不可能なため、SASの重症度を過小評価する可能性があります。
・無呼吸・低呼吸指数(AHI)は >40で、持続陽圧呼吸療法(CPAP)の適応となります。

 

arraw4 終夜睡眠精密検査

 ▼概要

 終夜睡眠精密検査とは、睡眠にまつわる病態の確定診断をする検査であり、以下の項目を計測します。

口鼻呼吸(サーミスタ法&エアープレッシャー法)、呼吸努力(胸部、腹部)、心電図、SpO2、気管音、脳波、眼電図、筋電図(頤筋、前脛骨筋)、患者の就寝時の記録(ビデオ)

 終夜睡眠精密検査は以下の項目の診断に有用です。

入眠潜時、REM潜時、覚醒頻度、各睡眠段階の割合・分布、睡眠時無呼吸症候群、 むずむず脚症候群など

 検査は入院していただいてから行います。就寝前に技師が患者にセンサー・電極等装着します。朝は看護師にセンサー・電極等の取り外しをお願いしています。

 ▼注意事項

・当院には睡眠検査専用の病室があり(C病棟9階)、終夜睡眠精密検査は専用病室で行なっています。
・無呼吸・低呼吸指数(AHI)は >20で、持続陽圧呼吸療法(CPAP)の適応となります。
・検査オーダー時に、必ず検査部へ連絡をお願いいたします。

 

arraw4 反復睡眠潜時試験

 ▼概要

 反復睡眠潜時試験(MSLT)は、日中の眠気を客観的に評価する検査として一般的に用いられます。また、ナルコレプシーの診断にも有用です。検査では以下の項目を計測します。

脳波、眼電図、筋電図(頤筋)、心電図

 前日に終夜睡眠精密検査を実施し、終了後1.5~3時間の間に初回の睡眠試験を開始します。その後、2時間間隔で5回行います。検査開始時刻と終了時刻、平均睡眠潜時、sleep onset REM period(SOREMP)の回数、エピソード等を報告します。

 ▼注意事項

・C病棟9階の専用病室で行います。
・検査オーダー時に、必ず検査部へ連絡をお願いいたします。