外来化学療法室
外来化学療法室の専門分野
外来における通院がん化学療法
診療・業務内容
近年のがん化学療法は、個別の疾患に対する標準的化学療法の確立や、副作用軽減の技術的進歩などを背景に、外来で抗がん剤の点滴静注治療を実施して入院期間を短縮し、在宅期間を延ばすことでがん患者さんのQOL向上につなげたいとする理念が定着しつつあります。わが国のがん医療体制の充実に向けて様々な具体的提言がなされている中で、上記の理念を実践するための外来化学療法室の設置、稼動は最も重要な課題のひとつとされています。本院ではこのような社会的背景を受けて、化学療法を受ける外来がん患者さんの治療環境を整備し、医師、薬剤師、看護師等の連携によって、質が高く、かつ安楽、安全な外来がん化学療法を提供することを目的として2003年8月に外来化学療法室を設置致しました。
治療環境
外来・中央診療棟1階に外来化学療法室として6床(4床の治療用ベッド及び2床のリクライニングシート)を設置しております。4床の治療用ベッド、2床のリクライニングシート共に電動で患者さんにとって最も楽な姿勢を自ら設定して戴けるようになっています。更に、治療中の患者さんに精神的にリラックスしていただくために音楽を流したり、今年度からTVも治療病床別に1台ずつ配置して、患者さん個々に嗜好番組を選んで戴けるようになりました。治療室に隣接してあるトイレも点滴台を引きずりながらでもゆったりと使用できる広さがあり、洗浄機能も備えております。また、病気や化学療法等に関して出来るだけ分かり易く解説したパンフ、資料等もご要望に応じて提供できるようにもしています。
診療体制
化学療法実施中は、専任看護師1名が常時在室し、患者さんの御要望、必要に応じた看護を提供します。患者さんの外来主治医は、当日の診察、検査所見により化学療法実施の決定と薬剤部への通知を行いますが、その時検査部門では、当該患者さんの待ち時間を出来るだけ短くするために検査・報告を最優先するよう配慮しています。薬剤部でも専任の薬剤師による薬剤の確認と無菌製剤室での注射薬の混合調製が行われますし、御要望に応じて治療薬剤に関する情報提供も行います。治療室ではがん化学療法に習熟した腫瘍センター医師が常駐し、投与薬剤の確認、無菌製剤室からの薬剤の搬送、実際の化学療法や緊急時の対応を担当致します。このようにがん診療に専門性を有する医師、看護師、薬剤師が連携したチームを構成して、私共の外来化学療法室が目的としています質が高く、かつ安楽、安全な治療を患者さんに提供させて戴くとともに、チーム構成スタッフそれぞれの立場から、患者さんやご家族の方々に対して様々な助言をさせて戴いたり、お尋ねのご質問に応えるかたちで皆様に納得した治療を受けてもらえますよう配慮しています。
診療実績
外来化学療法室で治療を受けられる患者さんは年々増加の傾向にあり、図にありますように2007年は年間のべ167回の治療を行い、最近では月平均165名程度の患者さんを治療しています。年齢別では60歳台以上の方が過半数を占め、比較的高齢の方が多いのが本院での特徴となっています。これは高齢化のすすむ島根県の年齢構成に関連しておりますが、高齢の方は、がん以外にも様々な疾患を抱えておられる方が多く、総合的かつ専門的な治療が要求されますのでこのような患者さんに最善の治療を提供することが大学病院の使命と考えています。また、疾患別では消化器がんが約50%、乳がん約20%、肺がん,前立腺がんがそれぞれ約10%、血液がんが約5%等になっています。治療開始までの待ち時間は30~60分、治療時間は治療プロトコールによりますが30分で終了する場合から6時間くらいかける時もあり、長時間の治療に対応するための患者さんや御家族向けの休息(場合によっては宿泊)のために大学の設備を利用して頂ける制度も整備致しました。
このように整備された治療環境下で外来がん化学療法を実践することで、出来るだけ多くのがん患者さんや御家族の皆様のQOL向上に尽くしていきたいと思います。













