小児外科

小児外科の概要及び対象疾患と診療内容


1)小児外科の概要

「小児外科」とは?
 小児外科は小児期の外科的疾患を扱う部門です。おとなで「内科」と「外科」があるように、こどもにも「小児(内)科」と「小児外科」があり、小児外科は、こどもの病気を主に手術で治す仕事をしています。
 こどもは単におとなが小さくなっただけのものではありませんので、こどもの特性やこども特有の疾患に精通した専門の外科医が必要です。
 対象としている年齢は、生まれたばかりの赤ちゃんから、こども特有の疾患の割合が減少する15歳くらいまでですが、疾患によっては成人や高齢者の方も、診療致します。また、時には、生まれる前の胎児を対象とすることもあります。

         小児外科の位置付け

        対象年齢

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2)対象疾患

(1)小児外科疾患
  A.頸部:正中頚嚢胞(甲状舌管嚢胞など)、耳前瘻、副耳、舌小帯短縮症 他

  正中頚嚢胞(甲状舌管嚢胞など)、耳前瘻  舌小帯短縮症

  B.胸部:漏斗胸、気道異物、肺嚢胞性疾患、食道狭窄 他
  C.腹部:鼠径ヘルニア、臍ヘルニア、陰嚢水腫(精巣水瘤)、肥厚性幽門狭窄症、腸重積症、ヒルシュスプルング病、胆道閉鎖、先天性胆道拡張症、小児がん(神経芽腫、腎芽腫、肝芽腫、奇形腫、横紋筋肉腫など)、急性虫垂炎、腸閉塞症 他
  D.肛門部その他:痔疾患、体表の疾患(リンパ管腫、血管腫) 他


(2)小児泌尿器科疾患
  A.尿路:水腎症,膀胱尿管逆流症、神経因性膀胱、二分脊椎、夜尿症、尿失禁 他
  B.生殖器:停留精巣,包茎、尿道下裂、卵巣腫瘤 他


(3)新生児外科疾患
  食道閉鎖,腸閉鎖,鎖肛(直腸肛門奇形),横隔膜ヘルニア,腹壁破裂,臍帯ヘルニア 他


(4)障害児(者)外科疾患
  胃食道逆流症,慢性誤嚥,嚥下困難 他

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3)診療内容


多くの手術で入院期間は1泊2日です。
 鼠径ヘルニア、臍ヘルニア、停留精巣をはじめ多くの手術で、1泊2日の入院で治療をしています。


多くの手術で手術日当日から入浴できるようにしています。
 多くの手術(くだの留置を必要とする手術を除きます)で、手術日当日から入浴が可能です。通常、退院後自宅での傷の処置は必要ありません。手術日翌日から通園・通学をしてもらうことも可能です。


腹腔鏡下(胸腔鏡下)手術を積極的に行っています。
 こどもにとって意義があると考えられる場合は、積極的に腹腔鏡下(胸腔鏡下)手術を選択しています。それらの手術は、術後の回復が早く、傷の痛みがより軽いなどの利点があります。


3歳~10歳のこどもを対象に、手術に対する恐怖心を軽減するための取り組みを行っています。
 ビデオ、絵本、人形、模型を使用しながら、麻酔や手術に対する恐怖心を軽減する「プレパレーション」を、外科外来・小児病棟・手術室のスタッフが連携しながら行っており、こどもの緊張を和らげ勇気を与える効果が認められています。


治療のいろいろ
《漏斗胸の手術》

 前胸部が陥凹している漏斗胸に対しては、胸腔鏡による手術を積極的に実施しています。当科では、わずか1.5cmの長さの傷で行っています。また、体にやさしいチタン製のプレートを使用しています。
漏斗胸の手術

年長の例

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《鼠径ヘルニアの手術》

 こどもの手術で最も数が多いのが、足の付け根の少し上が膨らむ、鼠径ヘルニアです。生まれた時から原因がありますが、症状が出現する時期に、個人差があります。診断がついたら、トラブルが起こる前に速やかに手術を受けることをお勧めします。
男の子では精巣の血管や精管、女の子では卵管を損傷しない手術が必要です。

腸管が脱出した男の子

《臍ヘルニアの治療》

 よく目立つ部位だけに、臍の形が悪くなると問題になることがあります。当科では、臍ヘルニアに対していろいろな治療を行っています。

 臍で気になる方は、ご相談ください。    臍ヘルニアの治療


《急性虫垂炎の手術》

 緊急で行われる手術ですが、1例1例を大切にしています。超音波検査で確実に診断した上で、傷跡に最大限に配慮をした手術を行っています。

虫垂の位置が低い→鼠径ヘルニアと同様の創

《腸重積症の治療》

 3カ月~3歳に好発する病気です。なみのある腹痛が特徴的で、やがて血便がみられます。当科では、こどもに負担の少ない、超音波下生理食塩水注入による整復を行っています。また、整復できずに手術にいたる場合、腹腔鏡下整復術を行っています。

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小児外科の特色


(1)「こどもに優しい診療」をモットーとしています。
 こどもに負担の少ない超音波検査を多用したり、抜糸の不要な手術を行ったりして、できるだけこどもの苦痛が少ない診療を心掛けています。
(2)一生残る手術の傷跡に、最大限の配慮をしています。
 できるだけ目立たない部位(下着で隠れる位置など)に、できるだけ小さい傷で、できるだけ糸の跡を残さないような配慮をしながら手術を行っています。
(3)山陰で唯一、小児泌尿器科疾患の専門的診療を行っています。
 小児泌尿器科学会認定医(山陰に一人しかいません)が診療しています。停留精巣、膀胱尿管逆流症など、こどもの泌尿生殖器疾患のことは、お任せ下さい。
(4)小児麻酔に精通しています。
 当科所属の小児外科医は、いずれも小児麻酔の経験が豊富で、自分達が執刀しているこどもの麻酔の状況が理解できますので、より安心した手術ができます。

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年間症例数等の実績


 当科における年間手術数の推移は、グラフの通りです。
近年、こどもの手術はこども専門の医師が行うという流れが、定着しつつあります。

  年間手術数の推移

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患者さんへのメッセージ


 小児外科専門医の診療を気軽に受けられるよう、下記の3病院にご協力をお願いし、専門外来をしています。ほとんどの手術は大学病院で行うことになりますが、前後の通院は、下記の3病院で行い、負担がかからない配慮をしています。それぞれの病院を受診する場合には、かかりつけ医(家庭医)に御相談下さい。

《県東部》
 ○東部島根医療福祉センター(松江市東生馬町15-1):原則、第1金曜日
  予約受付:0852-36-8011(代表)  左記にて小児外科の予約を受け付けています。
 ○松江赤十字病院(小児科)(松江市母衣町200):原則、第2・4金曜日の午後
  予約受付:病院所定の方法でご予約をお願い致します。


《県西部》
 ○西部島根医療福祉センター(江津市渡津町1926):原則、第1土曜日、第3金曜日
  予約受付:0855-52-2442(代表)  左記にて小児外科の予約を受け付けています。


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リンク


  【専門外来関連】
  東部島根医療福祉センター http://www.sw-shimasei.or.jp/Ftobu2.htm
  西部島根医療福祉センター http://www.sw-shimasei.or.jp/Fsebu2.htm
  松江赤十字病院:小児科専門外来 http://www.matsue.jrc.or.jp/
 
  【小児関連学会関連】
  日本小児外科学会:小児外科で治療する病気 http://www.jsps.gr.jp/05_disease/index.htm
  日本小児泌尿器科学会:認定医一覧 http://ktis.jp/jspu/ippan_16.html

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