第4回ランチョントーク ポスターはこちらから
日時 : 平成23年4月27日(水)
時間 : 11:50〜12:35
会場 : 地域医療交流サロン
ゲスト : 微生物・免疫学教室 准教授 佐野千晶先生
ゲストトークタイトル : 「生命に関わる仕事って面白い!〜かあさん医師からの基礎研究のススメ〜」
参加者 : 医学科の3、4、6年生14人、研修医2人、職員6名など計22名
第4回ランチョントークは、本学13期生で、微生物・免疫学教室准教授・佐野千晶先生をゲストに迎え、「生命に関わる仕事って面白い!〜かあさん医師からの基礎研究のススメ〜」というタイトルでお話いただきました。
佐野先生のキャリアは本学附属病院耳鼻咽喉科での臨床医としてスタートし、結婚と出産を機に微生物・免疫学教室の大学院生となって基礎医学の研究生活を送って学位を取得後、再び臨床医としての生活へ。そして現在は微生物・免疫学教室の准教授として教育と研究中心のキャリアを継続しているという、本学出身の女性医師の中でも希有の存在です。
子育てをしながら学位や専門医などの資格を取得するのと同時に、臨床と基礎をまたにかけてキャリアを重ねて来た佐野先生のプレゼンは堂々の迫力に満ち、随所に素敵なキーフレーズがちりばめられていました。その中から印象に残ったいくつかをご紹介します。
「インパラをねらうヒョウのように!」
女子医学生にとって大きな関心事であるパートナー選びと結婚の時期について、あたかも草食動物(インパラ)をねらう肉食動物(ヒョウ)のように、ねらいを定めた相手には間髪入れずがっつり首根っこを押さえるのだ!という佐野先生の肉食系女子発言に、学生は固唾を飲んでいました。一方で、そのようにしてカッップリングしたパートナーには子育てや家事を過剰に期待せずに、自分自身でこなす覚悟をしてきた、とも。また、どんなに仕事が忙しくても自分の子どもにはきちんと向き合って育てることがとても大切だと教えていただきました。
「女の敵は女、 しかし女の味方も女」
子育て期には実母や義母など周囲から多くの支援を受けながらやりくりしなければならず、また、臨床の現場でももちろん、医師やコメディカルの多くの女性スタッフともつきあっていかねばならない。そういう環境で、どれだけ周囲に感謝を表現しながら謙虚に振る舞っていけるかどうか、が重要。対応を誤ると、見方であるはずの女性陣を敵に回すことになるよという女子学生には身につまされる教訓でした。
「From bench to bed」
最近は医学部出身の学生の基礎医学離れが進んでいるが、生命の神秘を解き明かすおもしろさと喜びを感じる研究者にも目を受けて欲しい。医師というベースがあって基礎医学研究に携わることの意義は大きい。臨床家としてやっていくにしても、一度は研究の場に自分自身を置いてみることも薦めていただきました。
参加した学生からは、「子育てをしながら博士号を取ったり臨床の仕事をするのは大変だなぁというのが正直な感想ですが、佐野先生のお話を聞いて自分も頑張ってみたいという励みになりました。」「各々に合ったライフプランがあって正解はないのだなと感じました。正解がないからこそ先輩方の意見はとても貴重です。様々な立場の方の話を聞くことができるランチョントークに参加できて良かった!」
また、今後のトーク内容のリクエストとして、「講師の先生がどのような理由でその診療科を選んだのか、また、キャリアパスの所々の分岐点で何を優先されてその道に進んだか、などについてお聞きしたい」という意見もありました。
さて、次回はどのようなゲストがいらっしゃるでしょうか?どうぞお楽しみに!
内田室長との打ち合わせ 口演中の佐野先生 会場の様子