3-H-4-2第17回医療情報学連合大会 17th JCMI(NOV,.1997)

インターネットを用いた遠隔カンファレンス予約システムの開発

永田 宏 , 中橋 望 , 水島 洋
国立がんセンター研究所がん情報研究室

Development of teleconference reservation system over the Internet

Hiroshi Nagata , Nozomi Nakahashi , Hiroshi Misushima

Cancer Information and Epidemiology Division, National Cancer Center Research Institute(hnagata@ncc.go.jp )

Abstract: We appended the following two functions to NCC_image, a Java based remote collaboration teleconference system over the Internet. First, the reservation system with which the user can reserve NCC_image teleconference was implemented. The reservation system also protects the security of the teleconference. Second, we added the concept of authority to control the system. The user who is given the authority enables to control the system in the teleconference, and the other users cannot control it. The authority to control can be handed over any other user. This function keeps away confusion of teleconference that often happened in the old version.

Keywords: NCC_image, Java applet, CGI, teleconference, reservation system



1. はじめに

昨年、我々はインターネットを用いたインターラクティブな画像連携システム、NCC_imageを開発し、いくつかの学会で発表を行なった1,2)。NCC_imageはJava言語で開発されたアプレットと通信サーバーによって構成されている。これらをインターネット上のホームページに、アプレット起動用のHTMLファイルと、遠隔カンファレンスに用いる画像ファイルとともにセットアップしておく。クライアントがこのホームページにアクセスすると、アプレットがブラウザ内にダウンロードされ、HTMLの記述に従って起動する。アプレットには、ホームページから自動的に画像をダウンロードする機能や、表示画像を切り替える機能、画像を拡大表示する機能などが実装されている。また、インターネットを通じて、ホームページ上で走る通信サーバーにソケット接続することができる。通信サーバーに複数のアプレットが接続すると、アプレットから発生する画像連携コマンドが中継され、他のアプレットに伝達されることで、画像連携が成立する。昨年の段階では、画像連携が可能な端末数は2台に限定されていたが、その後サーバーマシンの能力が許す限りの端末を同時に連携させることができるように改良を加えてある。
今回の研究ではNCC_imageをさらに使いやすくするためのふたつの工夫を行なった。まず遠隔カンファレンス予約システムを開発した。これはNCC_imageサーバーをより効率的に運用するためのものであるとともに、サーバーのセキュリティーを高める効果もある。また、従来は画像連携操作をどのクライアントからも行なうことが可能であったが、複数のクライアントが次々に操作を行なった場合、カンファレンスの進行に支障を来す場合が多い。そこで新たに「操作権」という概念を設けることによって、この問題を解決した。今回はこれらの機能を中心にデモを行なう予定である。

2. 予約システム

予約システムの実体は、C言語で開発されたCGIプログラムである。図1はNCC_imageのシステム構成図である。サーバーマシン上のHTMLファイルをユーザーが必要に応じて手入力で修正していたものをCGIを用いて自動生成しようというのが、予約システムの目的である(図2)。具体的には、カンファレンス予約用のCGI(NCC_reserve)によって、ユーザーがインターネットから会議の名前と日時、会議に用いる画像の枚数とファイル名、および会議開催の際のアクセスの許諾権を与える会議IDを入力できるようにした。これらの入力項目は会議予約情報ファイルに保管される。ユーザーが会議予約を行なう際には、CGIがこのファイルにアクセスし、日時のチェックを行なう。空いていれば予約が行われ、すでに他の会議が入っている場合にはその旨が告げられる。また、会議予約が完了すると、 画像ファイルを保存するためのディレクトリ名がユーザーに告げられるので、会議開催までに所定のディレクトリにファイルをFTPなどで登録する。また、予約を行なったものは、会議開催までに参加予定者に対して日時と会議IDを通知する。
会議を開催する際には、各参加者はもうひとつのCGI(NCC_conference)にアクセスし、会議IDを入力する。CGIはIDを確認し、また会議の日時を確認する。そしてすべてが正しければ、NCC_image起動用のHTMLを生成する。IDが間違っていればCGIによって拒否されてしまう。これによって会議のセキュリティーが確保される。また、NCC_imageの起動に際しては、ユーザーが自分の名前(ハンドルネーム)を入力するようにした。このハンドルネームは、次に述べるように遠隔カンファレンスの操作権の授受に必要なものである。ハンドルネームには特に制限を設けていないが、自分と他のメンバーとを区別できるようなものを入力する必要がある。

3. 操作権

今回のバージョンアップでは、遠隔カンファレンス中のアプレットの操作を行えるユーザーを、全参加者の中からただ1名に限定するようにした。アプレット操作の権利を「操作権」と呼ぶことする(図3)。ただし操作権を完全にひとりのユーザーに固定してしまうと、かえってカンファレンスがやりにくくなる。そこで操作権を他のユーザーに受け渡すことができるような実装をおこなった。
まず、アプレットのメニューに「ユーザー一覧」選択ボックスを加えた。この選択ボックスに、現在カンファレンスに参加している全ユーザーの名前(ハンドルネーム:上述)を表示するようにした。参加ユーザーは通信サーバーが常時監視し、各アプレットの選択ボックスのリストが常に更新されるようにした。また、最初の操作権は、一番はじめに通信サーバーに接続したものに与えられるようにした。現在操作権を持っているユーザーは、選択ボックスから任意のユーザーを選択することにより、操作権を受け渡すことができる。
アプレットにおいては操作権を表わすフラグをひとつ用意し、自分に操作権が回ってきた場合にはフラグを立て、また他人に渡した際にはフラグを降ろすようにした。このフラグの状態によって、アプレットのメニューを操作できるかどうかを判定するのである。カンファレンスから抜けると(すなわち通信サーバーとの接続を解除すると)、操作権フラグが自動的に立ち、単独でアプレットを操作できすようになる。また、操作権を持ったユーザーがカンファレンスから抜けた場合は、サーバーが判断し、ユーザー一覧のなかからひとりを選択して操作権を与えるようにした。
これら一連の改良により、システムの使い勝手が大幅に向上した。



図表

図1、 NCC_imageのシステム概念図


図2、会議予約システム


図3、操作権の概念図


参考文献

1 永田宏、水島洋:インターネットメールの遠隔コンサルテーションへの応用:第16回医療情報学連合大会論文集、630-631, 1996.
2H.Nagata and H.Mizushima:New Remote collaboration telemedicine system over the Internet by using Java, 180, 1997.

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