3-H-3-1第17回医療情報学連合大会 17th JCMI(NOV,.1997)

インターネット環境での医薬品情報提供の試み
WWWを用いた薬の説明書作成システムの実用化にむけた試み

高田 雅弘1 , 柴川 雅彦1 , 西尾 和子2 , 福井 智子2 , 中沢 一雄3 , 鈴木 亨3 , 稲田 紘3 , 佐々木 哲明4 , 水島 洋5 , 内山 映子5 , 吉原 博幸6 , 大西 良子7 , 牛島 朝子7 , 入江真行 入江真行8 , 田間 恵實子9
国立循環器病センター薬剤部1 , 国立循環器病センター看護部2 , 国立循環器病センター研究所疫学部3 , 宮崎医科大学医学部付属病院医療情報部6 , 大阪厚生年金病院看護部7 , 大阪厚生年金病院医療情報課8 , 大阪大学医学部保健学科9 , 医療情報システム開発センター4 , 国立がんセンター研究所がん情報研究部5

An experiment of drug information supplement on the internet.

Development of practicable pharmaceutical instructions printing system on WWW.

Mashahiro Takada1 , Masahiko Shibakawa1 , Kazuko Nishio2 , Tomo Fukui2 , Kaz Nakazawa3 , Toh Suzuki3 , Hiros Inada3 , Tethua Sasaki4 , Hiros Mizushima5 , Ei Uchiyama5 , Hiroyu Yoshihara6 , Yoshi Onishi7 , Asa Ushijima7 , Masayu Irie8 , Emi Tama9

Dep.of Pharmacy,National Cardiovascular Center(mtakada@hsp.ncvc.go.jp)1 , Dep.of Nursing,National Cardiovascular Center2 , Dep.of Epidemiology,National Cardiovascular Center3 , Dep.of Medical Informatics,Miyazaki Medical College Hospital6 , Dep.of Nursing,Osaka Kousei-Nenkin Hospit7 , Dep.of Medical Informatics,Osaka Kousei-Nenkin Hospital8 , Nursing School of Allied Health Sciences,Faculty of Medicne,Osaka University9 , The Medical Information SystemDevelopment Center4 , Cancer Information Division,National Canter Center Research Institu5

Abstract:For pharmasist, it is important to contribute the proper use of medicines as a member of medical staffs. In National Cardiovascular Center, we tested intrahospital information supplement of medicines on the internet environment. Then, based on the results of the test, we have considered to open a practicable pharmaceutical instructions printing system on the homepage of the Japan Society of Nursing Informatics. Primary specification of the system is to print out pharmaceutical instructions containing pictures of medicine easily on the internet. Mainly we report the ploblems and results of questionnaires on test operatio

Keywords: internet,WWW,pharmaceutical instructions



1. はじめに

 薬剤師にとっては、調剤や製剤等の従来からの業務だけでなく、医療チームの一員として医薬品適正使用に寄与することが重要である。この観点から、国立循環器病センターでは薬剤師が病棟において患者に服薬指導を頻繁に行ない、患者の服薬に対する理解を深め、コンプライアンスを高めることで効果的な薬物療法を達成するための薬剤管理指導を精力的に行なっている。このような業務においては、有用な医薬品情報を患者により効果的に提供することが必要不可欠であり、「画像情報を含めた服薬指導書作成システム」等の開発・運営を行ってきた。さらに、このシステムをインターネット環境で稼働させ、より利便性を向上させるために、利用を院内の一部に限った(イントラネット)実験等も行い、一定の成果を得ることができた。1,2)
 今回、このデータを基に、日本医療情報学会の課題研究会である看護情報システム研究会において、医薬品データおよびシステムを再構築してホームページで公開することが検討されている。薬剤師の服薬指導支援はもとより、医師、看護婦等の医療スタッフも各々の立場でこのシステムを利用することで、総合的な患者指導を支援(あるいはその啓蒙)ができると考えられる。一方、システムの試験運用の結果、種々の問題点が明らかになったので、報告する。さらに、このシステムに対する医療従事者および患者の評価に対する若干のアンケート調査を行ったので、その結果も併せて発表する。 

2. システムの特徴とデータベース構築

 本システムの特徴は、医薬品画像等のデータベース化により、医薬品の画像の入った薬の説明書を簡単に作成できること、さらに、ネットワーク化によって、メンテナンスを一元化できるようにしたことである。また、今回の実用化に際して、患者服用情報データベースを、プライバシーの面からクライアント側で管理させるなどしている。これらの技術的な解説は、共同研究者による関連演題を参照していただきたい。
 一方、上記のようなWWWサーバーの構築以外に、データベースの再構築も重要な課題となった。スタンドアロン版については、現在も全て独自にメンテナンスを行っているが、インターネット版については市販のデータベースを購入することとした。実際、今回データベース化した汎用医薬品、約3000品目のメンテナンスを長期間継続していくためには膨大なマンパワーが必要であり、専門企業への依頼が妥当であると考えたからである。このような経緯で、データベースは毎月1回の頻度で最新情報にアップデイトされる。

3. アンケート結果と問題点に対する考察

 現在、医師23名、看護婦34名、患者26名からのアンケートが集計されている。結果については表に示した。
 これらの結果から、画像の大きさ等の見やすさ、また画像・医薬品名・薬の作用の欄の必要性については医療従事者・患者ともに80%以上は「問題ない」と考えていることがわかる。しかし、薬の作用の項目の詳しさについて医療従事者は87%が「適当」である考えているのに対して、患者は69%が「適当」と答え、「もっと詳しく」、または「少し難しい」との答えが15%ずつある。これは医療従事者が考える以上に、患者のレベルが多様化していることを示していると考えられる。また、この説明書がコンプライアンスの向上に役立つかとの設問に対し、医療従事者は100%「役立つ」と答えているのに対して、患者は58%が「役立つ」と答えたのにとどまり、35%は「役立たない」と答えている。この35%の患者を調べると説明書を渡されたばかりで十分な説明を受けてない場合がほとんどであり、処方変更の都度に説明書を渡され、何度も説明を受けた経験のある場合は「役立つ」との評価をしている。このことより、医療従事者がどんなに十分であると評価する説明書であっても、患者からみると渡されただけでは十分に理解できないことがわかる。つまり、患者個々に適切な指導書を用いるのと同時に、医療従事者がその患者にあわせた適切な指導を繰り返すことが必要だということである。
 また、試験運用を行ううちに、施設間や医師・看護婦・薬剤師等の職種間で、患者に対して説明する内容や表現に違いのあることがわかった。これは職能に関わる本質的な問題であると考える。しかし、今回の実用化に際しては細かい対応ができないことや、上記のアンケート結果から、医療従事者が患者にあわせた十分な説明を加えないと説明書が有効に活用されないことが示唆されたので、あえて作用の項目は空欄にし、使用する医療従事者が必要に応じて追加情報を記入し、全体の責任の確認としてサインすることとした。

4. まとめ

 本システムは、画像も含めた医薬品情報のデータベースをインターネット環境で操作できる機能を実現させることで、薬剤師が行なう医薬品適正使用業務の一環として利用されるだけでなく、必要に応じて医師、看護婦等の医療スタッフ等がそれぞれの役割と責任で有効利用できるのが大きな利点であると考えられる。試験運用の結果、患者個人個人によって、疾病の背景が異なることから、必要な情報も異なることがわかった。限られた条件の中で、患者に必要な個々の情報をどのような形で提供することができるか、今後さらに検討する必要がある。
 最後に、医薬品データベースの提供等に際して、格別のご配慮をいただいている(株)シュペールに感謝します

図表

表1、アンケート結果


参考文献

1)福井智子ほか:インターネット環境での院内情報提供の試み−WWWを用いた服薬指導書作成システムの開発−,日本医療情報学会第12回看護情報システム研究会講演集,77〜80,1996.
2)高田雅弘ほか:インターネット環境での院内情報提供の試み(第2報)−WWWを用いた服薬指導書作成システム及び処方データベースの開発−,第16回医療情報学連合大会論文集,170〜171,1996.

Microsoft Access TO HTML Converter.Medical Informatics,Shimane medical UNIV.