卒業生の動向

島根県立中央病院 老人看護専門看護師 立原怜

 

 私は、2016年度に老人看護専門看護師となり、現在は島根県立中央病院の入退院支援・地域医療連携センターに所属しています。退院調整看護師として高齢者・ご家族と今後の治療・ケア・退院先について一緒に考えることや、高齢者に関する各部署からの相談・教育などにも携わっています。
   私が看護師として大切にしていることは、高齢者の気持ちをできるだけくみ取った支援をすることです。高齢者本人の思いは、加齢や病気、家族や医療者への遠慮など、様々な状況が重なることで分かりづらくなってしまいます。これまでの生活を振り返りながら、ケアによりどのような力が発揮してもらえるのかを一緒に考えること、生活するうえでの苦痛を理解しようとすることは、高齢者の思いに寄りそうことができる一つの方法だと思っています。その積み重ねにより、高齢者本人にとって最善の医療・ケア・生活の場を皆で考えられるようになることが私の目標です。また、せん妄(入院に伴う混乱)予防のためのオリエンテーションや、退院前・退院後の自宅訪問などを提案し、少しずつですが、病院全体で高齢者を支える取り組みができるようになってきています。よりよい高齢者ケアのために、今後も活動を続けていきたいと思います。