小児科学

研究テーマ

Ⅰ.有機酸・脂肪酸代謝異常症の臨床、生化学、分子生物学的研究

Ⅱ.タンデムマス等の新技術を導入した新しい新生児マススクリーニング体制の確立に関する研究

内 容

Ⅰ. 有機酸・脂肪酸代謝異常症などの単一遺伝子病の発症メカニズムに関する研究を行っている。特に有機酸代謝異常症の病態、病因に関する研究を中心に進めている。有機酸代謝異常はアミノ酸、糖質、脂質などの中間代謝過程の障害に基づいて、中間代謝体が体内に上昇して発症する疾患である。

研究方法は、
    a )質量分析を用いた体液や組織中の有機酸の動態の評価
    b )欠損する酵素タンパクの検索
    c )遺伝子解析
などである。これらを通じて先天的要因によって起こる疾患のスクリーニング法、診断法、治療法の開発に結びつけ、障害予防を目指す。

Ⅱ. タンデムマスにより診断できる20種類の有機酸・脂肪酸代謝異常症などは、発症する前に発見できれば、発症後に診断された患者よりも予後が大変良い。そのため、発症する前に診断できるよう、スクリーニング体制の調査、整備を行う。