第29回島根眼科研究会

2022年3月27日 第29回島根眼科研究会がzoomにて開催されました。
特別講演Ⅰでは、“眼科災害医療の「これまで」と「これから」”と題し、岡山市立市民病院眼科 坂口紀子先生よりご講演いただきました。 2018年7月に倉敷市真備地区で発生した浸水被害について振り返るとともに、被災地における眼科診療について考えさせられる良い機会となりました。 当時、岡山では大変なことになっているなと思いながらも、眼科としての役割はあるのだろうかと考えていました。 実際は、眼疾患に対する診療や点眼薬の提供などニーズは多岐にわたっていました。また、受診者の多くは70~80代の方であったことから、 島根県でも多くの方が眼科難民となる可能性があります。いつ起こるかわからない災害に備え、 平時から対策をしておく必要性があることを改めて感じました。
特別講演Ⅱでは、“他科薬剤による眼底疾患”について、埼玉医科大学医学部眼科学講座 教授 篠田啓先生よりご講演いただきました。 抗がん剤によるぶどう膜炎の症例やプラケニルによる眼底異常所見などをご提示いただき、興味をもって拝聴しました。 当院でもプラケニル内服フォローの検査は多く、眼底自発蛍光や視野検査が特に大事であること、 アジア人では黄斑辺縁に異常が生じるものが多いことが分かりました。いずれの薬剤も、眼科検査の結果により薬剤使用の可否に関わります。 実際に検査を行う視能訓練士として身を引き締めるとともに、お話しいただいたことを意識しながら検査に臨みたいと思います。

福田洋貴



     
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