2022年6月21日に眼科診療医のためのirAE Webinarがオンライン開催され、
島根大学医学部附属病院先端がん治療センター/腫瘍内科の田村研治教授に
「がんの分子標的治療薬に起因する眼疾患~irAEを中心に~」と題してご講演をいただきました。
irAEという言葉すら、普段の眼科診療の中ではなかなか耳にしないのではないかと思いますが、
irAEとは、免疫チェックポイント阻害薬による過度の免疫反応に起因すると考えられる有害事象のことで、
全身臓器で生じる可能性があります。新しい抗癌剤治療薬が次々に開発されていくなかで、
様々な副作用も出てきています。
眼科的な副作用は高頻度ではないためなかなか遭遇することはありませんが、
抗癌剤治療を受けられる患者様は今後増えていき、多数の抗癌剤を併用されることもあると考えると、
いつか必ず遭遇することがあると思います。その時に抗癌剤治療中だということだけではなく、
何の薬を使っているのかまで、詳しく問診をとることも重要だと感じました。
また、遭遇した際には主科の主治医や関与する職種ともきちんと連携をとることも重要です。
眼科診療に専念していると忘れてしまいがちな抗癌剤の話を久々に聞くことで、とても勉強になりました。
日々の診療に役立てていきたいと思います。
真鍋 薫