2022.07.13
島根大学医学部医学科6年生の加堂陽一さん,佐々木淳一さんの論文が,
それぞれ海外学術誌Antioxidantsに受理され,掲載されました。
この雑誌のインパクトファクターは7.675点です。学術論文を書かれた事がある方は,いかにレベルの高い雑誌かおわかり頂けるかと思います。
島根大学の眼科では外来受診患者さんを対象に,老化のマーカーである糖化終末産物(AGEs)と野菜摂取のマーカーであるカロテノイド量を,
新しい測定機器を用いて指先の皮膚で測定しています。
それらの測定結果約2000例を調査した上で,加堂さんは緑内障1),佐々木さんは糖尿病患者2)で詳細に統計学的検討を行い,
測定が新たなバイオマーカーとなりうることを論じました。
論文を出すためには,倫理委員会の手続,データ収集,データ解析,文献検索,論文執筆,論文投稿,査読への対応,と言った
一連の作業が必要です。二人は約1年かけてこれらを成し遂げました。
学生が,普段の勉学と並行してこれらの作業を行うことはとても大変なことです。
この成功体験を糧に,二人が診療と研究の両方を行う,フィジシャン・サイエンティストとして活躍してくれることを今から楽しみにしています。
谷戸 正樹
1) Kadou Y, Takayanagi Y, Sasaki J, Tanito M: Fingertip-Measured Skin Carotenoids and
Advanced Glycation End Products Levels in Glaucoma. Antioxidants 2022.
2) Sasaki J, Takayanagi Y, Kadou Y, Tanito M: Relevance of Diabetic Retinopathy with
AGEs and Carotenoid Levels Assessed by Skin Sensors. Antioxidants 2022.