2022.9.26
琉球大学眼科の古泉英貴教授に,加齢黄斑変性(AMD)治療における抗VEGF治療について,最新の知見を交えながらお話し頂きました。
アフリベルセプトのTAEでは,AMDの約4割が治療反応良好であるのに対して,
約3割は治療反応性が低いことが国内で行われた試験で示されています。
治療反応性の指標として,IRF, SRF, Sub-RPE fluidに分けて着目して,
きちんとフルイドコントロールすることが重要であることを教示頂きました。
正常な血管ではAng-1-Tie-2シグナルが寄与していること,病的血管ではAng-2がAng-1に競合阻害的に働き,
また,VEGF受容体2の発現亢進によってVEGF-Aと協調的に血管不安定化に寄与していることを説明頂きました。
Fc領域を改変したバイスペシフィック抗体であるファリシマブは,
Ang-2とVEGF-Aの両者を阻害することでAMDに見られる病的血管の安定化が,
全身副作用の軽減と共に期待できることのメカニズムをわかりやすくお話し頂きました。
ファリシマブでは約半数の症例で4ヵ月間隔まで治療期間を延長させることが期待できるそうです。
琉球大学のレジメンについても、大変参考になりました。
注射回数の減少は患者さんにとって良い知らせだと思います
谷戸 正樹