2023.05.26~28
中四国眼科学会は100回を超える全国で最も歴史の古い地方学会でしたが、その幕を閉じて久しいです。
九州眼科学会は日本に残された最後の地方学会で、毎年11大学の持ち回りで開催されます。
今年は九州大学の主催で、博多の中心街アクロス福岡で開催されました。
眼科臨床病理研究会も歴史は古く、以前は中部眼科学会の日程を丸1日費やして40題近い演題が激論される熱い研究会でした。
瀬戸川教授主催年には、医大から県民会館まで顕微鏡30台を運んだことを思い出します。
しかしながら眼病理を専門(趣味)とする眼科医は減少の一途を辿り、
現在では毎年10題前後の演題数で九州眼科学会プログラムに3時間ほど間借りをして存続しています。
眼病理研究会は8年ぶりの発表と座長で福岡に行くことになりました(全体懇親会が復活したのも演題登録の理由です)。
九州眼科学会は2会場並行で開催される盛況ぶりでした。
水泡性角膜症のクロスリンキングや中馬先生らの手術トピックス、三重大学近藤峰生先生の脈絡膜疾患の症例提示が興味深かったです。
眼病理研究会は病理標本の関係上、以前から眼腫瘍病理研究会と同義になっており、眼腫瘍仲間と10症例の稀な腫瘍性病変を勉強することができました。
私は涙丘脂腺癌の1例を話しました。眼病理研究会では毎年「奥田賞」という“学会賞”が授与されます。
今年の受賞者は九州大学の田邊美香先生。吉川洋先生の後継者です。田邊先生は2015年の眼腫瘍学会 in 松江でU40日本代表として講演していただきました。
幾つかの大学ではしっかりと後進を育成されており、私も頑張らなくてはいけませんが、人員的に眼腫瘍専門という後継者育成は難しい状況です。
ちなみに毎年眼科専門医試験の写真問題の1割は眼腫瘍関連です。後期研修医の皆さん、眼病理は勉強して損はありませんよ。
地方会は既にリアル発表に戻っていますが、懇親会はまだまだですね。
九眼では久々のリアル懇親会に出席できました。ミシガン仲間で久留米の吉田教授は新入局の飯田先生をよくご存じでした。
大平教授時代からお世話になっている長崎の北岡教授、福岡眼科医会長の吉富先生、産業医大の近藤教授、鹿児島の坂本教授から声をかけていただき、
アウェイ感ゼロのフレンドリーな会でした。来年は熊本開催ですが、必ず演題出して行ってきます。
兒玉 達夫