2. leaky gut syndrome (LGS) の病態解明と治療標的の探索

腸粘膜から吸収される分子の大きさは通常500Da程度までであり、分子がそれよりも大きくなるにつれて腸粘膜を通過しにくくなります。外部環境由来の病原性微生物やその毒素などは比較的大きな物質であるため、通常は腸粘膜を透過しません(左図:通常状態)。しかし、何らかの原因でこのバリアが慢性的に破たんすることがあり、その状態をLeaky gut syndrome(LGS)と呼んでいます。LGSになると吸収された有害物質によって食物アレルギーや糖尿病などの全身疾患が生じる可能性があることが指摘されています。当講座では、LGSがどのような原因で起きるのかを明らかにし、その治療標的を見つけ出すことを目的に研究を行っています。