公開日 2025年01月08日
あけましておめでとうございます。
日常生活が徐々にコロナ前の状態に戻りつつある一方、昨年は物価や光熱費の高騰により、病院運営、とりわけ経営面で大変厳しい一年となりました。また、医師の働き方改革の制度化に伴い、診療体制にも大きな変化が求められました。こうした状況の中、皆様にはご不便をおかけすることもございましたが、当院の運営に対し多大なるご理解とご支援をいただき、心より感謝申し上げます。
当院は少子高齢化が進む中、島根県唯一の大学病院として地域医療を支える責務を担っています。2040 年を見据えた次期地域医療構想のもと、高齢者医療の充実はもちろん、若い世代が安心して暮らせる環境を整えるため、周産期医療や小児医療の充実が急務です。これを実現するため、産科医療の提供体制を再構築するとともに、小児救急センターを設置し、多様な小児医療や外科的小児医療、児童精神医療に対応してまいります。
また、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、脳神経外科、歯科口腔外科、眼科、形成外科の連携による「顔面・頭蓋底外科センター」を新設し、多様な外科治療を提供する体制を整えます。このセンターでは、機能面と見た目(アピアランス)にも配慮した治療を提供します。さらに、肉腫・希少がんセンターや臨床遺伝・ゲノム医療センターと連携し、先端がん治療センターを活性化させ、血液内科では CAR-T 療法を含む最先端のがん治療を展開してまいります。
「島根のアスリートを守る」スポーツメディカルセンターでは、日本スポーツ協会認定アスレティックトレーナー 4 名によるリハビリテーションを提供し、多職種チームでスポーツ選手の診療に取り組んでいます。
当院は、「人の幸せ」と「地域社会への貢献」を使命とし、先進的かつ高精度な医療を迅速に取り入れながら、島根県全体の医療向上に尽力します。「安全・安心な最善の医療」を提供し、地域に信頼される病院を目指してまいります。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
病院長 椎名 浩昭