5. がんの発生は細胞の変化から

正常細胞ががん化してがん細胞になるとどのような変化がみられるのでしょうか。「細胞培養」の研究から、がん細胞には次のような特徴が認められることが知られています。

1)限りなく増える!

正常細胞には固有の寿命があり、決められた回数の細胞分裂を繰り返すと死滅します。ところが、がん化した細胞は無限に細胞分裂を繰り返し、ほぼ永久に培養を継続することが可能です。

2)細胞社会の秩序からの逸脱

正常細胞は、細胞同士が接触し、一層に並んだ時点で増殖を停止します(接触阻害)。しかし、がん細胞は細胞同士が接触してもかまわず増殖を続け、何層にも重なり合って増えていきます(右図)。

3)足場がなくても大丈夫!

正常細胞は、試験管やシャーレの底面に付着して足場を確保しなければ増殖することができません(足場依存性)。ところががん細胞は、軟らかい寒天の中で、足場もなく浮遊したままでも増殖することができます。



遺伝子に傷がつくと、このように細胞質や細胞膜の性質が変化し、細胞の性格までも変わってしまうのです。