島根大学病院の新型コロナウイルス感染対策について(5月~6月)【病院ニュース6月号】

公開日 2020年07月06日

 

島根大学病院の新型コロナウイルス感染対策について (5月~6月)【病院ニュース6月号】


病院長 井川 幹夫

 

 県内の新型コロナウイルス感染者は、5月2日の24 例目以降、新たな陽性例は発生せず、島根県においても5月14 日に緊急事態宣言が解除され、当院のCOVID-19 対策委員会の開催も週2回から1回に減らしています。第1の波のピークは過ぎていると判断されますが、当院はECMO などによる医療が提供可能な「重症管理指定医療機関」に指定されていますので、常に緊張感を持って病院運営を実施している状況です。


 日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体の本年4月の速報値によると、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた病院では、外来患者、入院患者ともに減少し、医業収入、医業利益率ともに悪化がみられています。全国医学部長病院長会議がまとめた今年4月の全大学病院の実績によると、ICU 確保のためや感染リスク回避のための手術件数減少、侵襲的検査の制限等、さらに新型コロナ対応経費の増加が特に都市部に存在する大学病院の運営に影響を及ぼしているようです。当院では、4月分の診療稼働額には大きな影響は認められませんでしたが、5月分の診療稼働額の低下が目立ってきています。4月30 日に成立した補正予算の中で、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金が創設され、当院も交付金の趣旨に沿った整備を行い、第2波に備えた体制強化を図ります。


 PCR 検査については、当院は行政検査を補完する位置づけですが、新たに核酸・タンパク質精製装置、PCR 測定装置を導入して、院内で検査可能なPCR件数を増やし、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、脳神経外科(下垂体腫瘍)などの術前、全身麻酔、感染リスクがある内視鏡等の検査では予めPCR を行う計画としています。今後、院内で実施可能なPCR 件数が増加し、唾液が検体として妥当であることが確認されれば、PCR を実施する対象患者を拡大したいと考えています。PCR の他に、抗原検査は導入予定で、抗体検査についても評価がほぼ定まった時点で導入し、患者さんはもちろん、医療スタッフ、臨床実習生に安全な環境を提供したいと考えています。地域の医療機関の皆様には、今後ともご支援・ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。