島根大学病院の新型コロナウイルス感染対策について(6月~7月)【病院ニュース7月号】

公開日 2020年07月29日

 

島根大学病院の新型コロナウイルス感染対策について (6月~7月)【病院ニュース7月号】


病院長 井川 幹夫

 

 県内では、5月3日以降、6月末まで新たな感染例は発生せず、6月19 日から全ての都道府県への移動の自粛要請が全面解除されたことを受けて、同日付で県外から当院への受診、里帰り出産も受け入れています。また、病棟の面会制限についても、6月19日から個室のみ解除としています。4人部屋ではこれまで通り面会制限を継続していますが、これは入院患者さんのアンケート調査で、面会制限により静かな療養環境が保たれているとの声が多く、さらに病棟へのWi-fi設置によりオンライン面会が可能となっている点を考慮したものです。医学科と看護学科の病院実習では、7月6日から当院の病院ゾーンへの学生の立ち入りを認め、外部の医療従事者養成機関からの実習は7月13日以降に受け入れます。


 PCR検査については、新たに核酸・タンパク質精製装置、PCR測定装置を導入して、週60件の検査が可能ですが、臨床検査技師の増員、検査機器を追加導入して実施件数を増やす予定です。これまで耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、脳神経外科(下垂体腫瘍)などの術前にスクリーニング検査としてPCRを実施していますが、全身麻酔で気管挿管を行う症例にも拡大しつつあります。PCRの採取検体については、症状発症から9日以内であれば唾液検体と鼻咽頭ぬぐい液間に良好な一致率が認められ、唾液採取には検体採取に係る感染防御や人材の確保の負担が軽減されるなど利点が多いことから、当院でもPCR検査は唾液採取を標準とし、今後感染者の入院を受け入れた場合、ケアにあたった職員に対する定期的な検査、実習生の希望者にもPCRを実施します。また、県内の医療機関からのPCR検査を当院が受託し、検査結果を迅速にお知らせする準備を行っています


 6月号でも述べましたが、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体の本年4月の速報値によると、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた病院では、外来患者、入院患者ともに減少し、医業収入、医業利益率ともに悪化がみられています。厚労省のHPによると、6月2日までに全国の重症者のうち81%を大学病院が受け入れており、国立大学病院長会議による集計では、4月の収益減が都市部の国立大学病院で顕著であり、5月には収益減が地方の国立大学病院まで及んでいます。当院では、4月分の収益には大きな影響は認められませんでしたが、5月には収益減に至っています。6月以降、感染リスクを最小化しつつ、本来の大学病院としての診療を取り戻し、第二次補正予算からの交付金を活用して、第2波に備えた体制強化を図ります。


 地域の医療機関の皆様には、今後ともご支援・ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます