第38回日本眼薬理学会

 私、石原朋恵(寿製菓(株))は2012年~2018年まで島根大学医学部眼科学講座で共同研究員及び社会人大学院生として、 研究させていただき、現在も引き続き共同研究させていただいております。 このたび、2018年9月29~30日、長崎大学医学部で開催されました第38回日本眼薬理学会に参加させていただきました。
 本学会の特別講演では、今年3月に退官された島根大学大平明名誉教授が「酸化ストレスと生体防御因子」という演題で、 光による酸化ストレスに対する防御物質と防御機構について解説されました。 また、「前眼部治療の基礎と臨床」「後眼部治療の基礎と臨床」「薬学による眼薬理の進歩」という3つのシンポジウムが行われ、 加齢黄斑変性、緑内障、白内障などの眼疾病に対する薬理的なアプローチでの研究内容が発表され、非常に興味深いシンポジウムでした。 私は、「ラット網膜光障害に対するトチノキ種皮由来Aタイププロアントシアニジンの網膜保護作用」という演題で、 島根大学医学部眼科学講座で行った研究内容を発表させていただきました。トチノキ種子は栃の実と呼ばれ、栃餅などの製菓原料に用いられます。 今までの研究で、トチノキ種皮には多くの抗酸化物質であるポリフェノール(Aタイププロアントシアニジン)が含まれていることがわかっていました。 ラットにこのポリフェノールを継続的に経口投与することで、光照射による網膜脂質の酸化の抑制、網膜組織の保護作用、網膜機能の低下抑制が確認されました。 この発表では、食品加工残渣として廃棄されていた種皮に着目し、その機能性を明らかにしたことに非常に興味を持っていただけました。 さらに、眼科関連の先生や薬理の研究をされている先生方のレベルの高い研究のお話を伺うことができ、非常に勉強になり、また刺激を受けた学会でした。

石原 朋恵


長崎の平和祈念像
     
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