水晶体嚢拡張リング(CTR)の研修会を受講して

 水晶体嚢拡張リング(capsular tension ring、以下CTR)は、チン小帯脆弱やチン小帯断裂を有する患者における白内障手術において、 手術の安全性を高め、より良い術後成績を得る目的で使用される医療器具です。白内障手術の合併症の一つにチン小帯断裂というものがあります。 ご高齢の方、糖尿病や緑内障をお持ちの方、過去に眼のレーザー治療を受けられた方などに比較的多く起こる可能性のある合併症の一つです。
 CTRの使用に当たっては、添付文書およびガイドラインをよく読み、その内容に従うこと、また、白内障手術に習熟した術者が、 日本眼科学会の指導下で製造販売業者等が実施する講習会を受講した上で、使用する必要があります。
 今回私たちは、2018.10.14に東京国際フォーラムにて開催されたCTRの講習会に参加してきました。 臨床眼科学会の期間中に学会の会場である東京国際フォーラムで行われ、大きな会場であったため参加者も数多くおられました。
 CTRが使用可能になることで、チン小帯断裂例において安全にかつ長期的に安定した状態で眼内レンズが眼内に固定できる可能性があると考えます。 今後、我々が白内障手術を施行していくうえで、CTRが必要な症例に対して適切に利用し、術後長期にわたり患者様に喜んでいただけるように頑張っていきたいと思います。

持地 美帆子



左:島根大学眼科学講座からの参加者全員で集合写真!! CTRのCのポーズで☆
右:実際のCTRの形状(HOYA CTR添付文書より抜粋)

     
ページのトップへ戻る