第19回眼科生体防御研究会

2020年7月10日に感染にも配慮し、机の間隔を開けて、第19回眼科生体防御研究会が行われました。
九州大学の村上祐介先生によるご講演で、演題は九州大学での網膜色素変性症に対する取り組みや緑内障に対する治療などを総括的にお話ししていただきました。 現在網膜色素変性症は治療法のない慢性疾患として位置づけられていますが、海外ではすでに行われているベクターを用いたprecision medicineが行われていて、 その仕組みや方法に関してご教授いただきました。また、九州大学では治療とはまた違う観点で神経栄養因子を補充することで進行を遅らせる取り組みをされているお話を聞いて、 今後網膜色素変性症だけでなく加齢黄斑変性症や緑内障に対しても応用がされていく治療であり、臨床的に使える日が待ち遠しいです。 またその他にも九州大学でのチューブシャントと濾過手術の比較試験や、チューブシャントを用いたアーメドとバルベルトの比較試験などのデータや、 新しい再生医療の形としてin vivoでおこなうdirect reprogramingの研究など幅広い取り組みをみせていただき、大変勉強になり大きな刺激になりました。
ご講演いただいた村上先生本当にありがとうございました。

市岡昇


2020年7月10日に第19回眼科生体防御研究会が出雲で開催されました。 COVID-19が猛威を奮ってからというもの、webではなくこのようにface-to-faceで開催されるのは何時ぶりでしょうか?
講師に九州大学眼科学講座の村上祐介先生をお招きして、網膜色素変性症および緑内障に関する遺伝子治療を含めた最新の知見をご教示いただきました。 網膜色素変性症といえば「治らない病気」という認識でしたが、すでに米国ではウイルスベクターを用いた臨床治験が開始されていると聞き、 大変にセンセーショナルなお話でした。緑内障においてもミュラー細胞を神経節細胞に転換する遺伝子治療の研究が進んでいるとのことで、 将来的に進行した緑内障患者様の機能回復が期待できる時代が来るのかもしれません。
個人的には、COVID-19発生以来、会議など多くのことがwebで事足りると分かってしまい(谷戸教授は逆に会議が増えたそうですが。。。)、 リモートワークなど社会が良い方向に変容した面もあると感じていました。しかしながら、従来行われてきたように、 face-to-faceで活発な議論を行うことも非常に大切であると改めて感じました。

髙柳祐士


    研究会の様子
    入場の際には,マスク着用,アルコール手指消毒,検温。
    研究会は,広い部屋で距離を空けて,換気しながらの講演会でした。
     
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