第106回鳥取大学眼科研究会にて

2020年9月26日に米子市にて第106回鳥取大学眼科研究会が開催されました。新型コロナのため久々の講演会となりましたが、 ソーシャルディスタンスに配慮しながらも、直接の講演がお聞きできたのは鳥取大学の先生方のご尽力あってのことと思います。
ステロイドによる真菌性角膜炎の再燃をきたした症例では、ステロイドの使い方及び高齢者の入院中のリスクについてもご講演いただきました。 また、細菌性角膜炎に真菌性角膜炎を合併した症例では米から感染した珍しい真菌に感染を起こした一例についてご講演いただきました。 また、AIを用いた感染性角膜炎の自動診断ではAIにて細菌、真菌、ヘルペス、アカントアメーバの診断ができた症例についてAIに学習、 読影をさせることをAIの自動診断の機構から詳しくご講演いただきました。何より人の目での読影よりも精度が上がるという結果については大変興味深いものがありました。
また特別講演では閉塞隅角緑内障についてのご講演を沖縄から配信していただきました。緑内障ではPACGと比較してPOAGは5倍近くの有病率があるのに対し、 失明率はPACGとPOAGで変わらないというstudyや、PACGにて中心前房深度が保たれており、PASがなく眼圧が低い場合でも暗所うつ伏せ試験を行うと眼圧が上がることがあるため、 進行する緑内障でPACGを疑うことの重要性を説明していただいたり、たくさんのデータとともに示していただきました。特に固視灯の緑の光で縮瞳が起こり、 閉塞が解除される可能性についてのお話は今後の当院での検査に活用していこうと思います。
最後になりますが本当に多人数での集会が難しいこのご時世に、素晴らしい研究会をご企画いただいた鳥取大学および製薬会社の皆様、本当にありがとうございました。

市岡昇


     
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