いま、精神科の需要は増加の一途を辿っています。児童虐待、発達障害、不登校、摂食障害、産褥期うつ、職場のメンタルヘルス、アルコール依存、自殺問題、緩和ケアにおけるこころのケア、認知症と介護の問題・・・。
こうして挙げてみると精神科医療はヒトの一生のすべての時期に渡って関わる、まさに”人生に寄り添う仕事”と言うことができます。また、こころの病気は家族問題、職場問題、経済的問題、健康問題、はたまたプライドや生きがいといったものが関係していることがほとんどなので、”生活に寄り添う”仕事、”生き様に寄り添う”仕事と言えるでしょう。
このように書いてしまうと私たちの仕事はとてもアーティスティックに見えてしまうかもしれません。しかし、いま、脳の科学はもっとも”旬”な分野であり、「脳の科学」を「こころのはたらき」に結びつける私たちの仕事はサイエンスの中でも最先端の仕事でもあります。「ブラックボックス」と呼ばれ、未解明な部分が多いですが、それゆえやりがいのある仕事です。
私たち精神科医師は、最新の知見にもとづいた医療と患者さんの人生や生活に寄り添う医療とのバランスを保ちながら、患者さんや社会のお役に立てるよう日々研鑽を積んでいます。
精神科専門医は冒頭に挙げた疾患や諸課題に対する横断的な能力を持ち、社会のあらゆる分野と接点を持ちながら活躍しています。みなさんもぜひ精神科専門医を目指し、患者さんの人生に寄り添い、ブラックボックスを解明しましょう!
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