
公開講座日程:平成23年3月8日(火)
13:30~15:00
場所:島根大学医学部看護科棟6階
(第4実習室)
参加者:総数64名
内訳(一般23名,看護職24名,福祉関係者3名,学生14名)
講師: 龍谷大学短期大学部 准教授
黒川 雅代子 先生
感想 (一部抜粋)
①当事者
・当初を振り返りながら聞かせて頂きました。改めて主人の事を「一番大切な人」と愛おしく思いました。
・他の人の体験談(他人からかけられた言葉で傷つけられたこと)などを聞いて、私だけが他人からなにげなく
かけられたなぐさめの言葉に苦しんでいるのではないと思いました。
・なかなか淋しさからぬけ出せないことは、あたり前のことだとわかって安心しました。
みなさん、同じ思いをしておられ「自分だけではない!!」と思いました。
・子どもであれ、配偶者であれ、両親であれ大切な人を亡くした者の苦しみは比べようがない。
実際,私は子どもを亡くした自分が一番苦しいと思ってました。
②支援者
・遺族の方の実際の思いも聞くことができ、市民公開型であったことがとてもよかったと思います。
・がんサロンのお世話役をしていく中に今後、生かしていきたいと思います。
・グリーフケアについて、当事者の方に何か声を掛けてあげなければ…と思っていましたが、黙って寄り添う
だけでも良いという事、無理に言葉を探してかえって傷つけてしまう事もある事を知りました。
・大切な人を亡くした悲しみは人それぞれ違うと言う事で相手を思う気持ちの大切さが分かりました。
・大切な人を亡くした方々の心のうごきを知ることができて良かったです。
・「大切な人を亡くした人の悲しみのケア」で“我々は元気づける言葉を持ち合わせていない、限界を知るべき”
との言葉が心に残りました。
・グリーフケアについて理解することがまず大切だということを感じました。安易な言葉かけではなく、寄り添い
そばで見守ることや、情緒的サポートだけでなく、道具的サポートも私自身にできることだと学びました。
総括
重たいテーマの公開講座であったが、開催前から問い合わせが多くあり、多くは亡くした悲しみを話す
場所がなくつらいなどであった。アンケート結果では参加者の96%の人が「大変良かった」「よかった」
と回答していた。感想では、一般市民の当事者は大切な人を亡くした悲しみを抱えているのは自分だけで
はないこと、他人からかけられた言葉で傷つけられた経験は自分だけでないこと、改めて亡くした人を大
切に想えたこと、たくさんの人に支えられていることを改めてわかったこと、などであり、公開講座に参
加し、自己を振り返る機会にしていた。看護師、ケアマネジャー、MSWなどの支援者は、グリーフケア
の重要性が理解できた、日常生活が行えるように支援することの重要性、遺族の思いの「なぜ死んだのか?」
に対してどうより寄り添ったらよいのか考える必要がある、グリーフケアは個別性がある、などの実際に
実践されている講師の講演内容から具体的なグリーフケアの知識や技術を学んでいた。
島根県では遺族会は極めて少なく、自死の会と我々が毎月開催している子どもを亡くしたサポートの会
である。今後は、一般市民がコミュニティの中で実践できるグリーフケアについての講演会の開催や誰で
も参加できる遺族会を検討していく必要がある。
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