公開講座名  「大切な人を亡くした人のケア」
実施責任者  矢田 昭子 (医学部看護学科 臨床看護学講座・教授)
実施協力者  秋鹿 都子 (医学部看護学科 臨床看護学講座・講師)
 森山 美香 (医学部看護学科 臨床看護学講座・講師)
 佐藤美紀子 (医学部看護学科 臨床看護学講座・助教)
実  施  内  容


 1)大切な人(子ども)を亡くしたセルフヘルプグループの開催

 ①開催日時:偶数月の第2日曜日 13:30~15:00
 ②参加者数:多い時には家族10名程度の参加があった。
 ③内容:大切な子どもを亡くした想いを参加者同士が語り合う。
 ④参加者の感想:
  「子どものことは忘れたことはない。誰にも話せる内容ではないので,参加し語ることで気持ちが少し軽くなる。」
  「このように語る場所があることは良いと思う。」などであった。



 2)市民公開講座「大切な人を亡くした人のケア」開催

 ①開催日時:平成25年3月23日(土)10:30~15:30
 ②場所:島根大学医学部看護学科棟
 ③内容:
  ・午前の講演会(10:30-12:00):一般市民や保健医療福祉関係者を対象として,島根県臨床心理士会会長の美川寛先生を講師に迎え,
  「大切な人を亡くした人へのケア」のテーマで講演会を開催した。
  ・午後の傾聴訓練研修会(13:00-15:30):保健医療福祉関係者を対象として,美川寛先生,島根県立中央病院心理判定専門員白川由里先生  を講師に迎え,傾聴技法についての講演後,3人一組のロールプレイ方式で傾聴訓練を行った。
 ④参加人数
  ・午前の講演会:一般市民や保健医療福祉関係者,学生の約40名の参加があった。
  ・午後の傾聴訓練研修会:12名の参加があった。
 ⑤参加者の感想
  ・午前の講演会:「心に響く大切なメッセージを受け取った」「大切な人を亡くした人を自分が無意識に傷つける言葉を口にしていたことに気が  ついた」「自分もがんばっている人に寄りそって支援したいと強く感じた」「配偶者を亡くした。語る場所がない」などの意見が寄せられた。
  ・午後の傾聴訓練研修会:「自分自身の傾向が分かった」「傾聴の難しさを実感した」「待つことの大切さ,相手が話しやすい環境を作ることの  大切さが分かり,今後に活かしたい」「このような研修会を今後も開いてほしい」などの意見があった。



    公開講座ポスター.pdf

3)総括
グリーフケアに関する講演会や傾聴訓練研修会を開催することは,大切な人を亡くした人のケアについて参加者の理解を得ることができた。参加者からは本企画の継続を求める声が多く聞かれたことから,今後もグリーフケアに関する講演会や傾聴訓練研修会を開催する必要がある。また,配偶者を亡くした参加者からの意見からも,島根県では配偶者を亡くした家族が語る場所がない現状である。そこで,配偶者を亡くした家族同士が語り合えるように,セルフヘルプグループを立ち上げることは喫緊の課題であり,今後取り組む必要がある。




       
       講演会の様子 講師:島根県臨床心理士会 会長 美川寛先生