[平成23年10月19日更新]

平成23年度夏季地域医療実習報告書

日程

(1)地域医療実習

実施機関地区日程1人数日程2人数
松江保健所松江8月9〜11日 8月16〜18日
雲南保健所雲南8月9〜11日雲南病院--
奥出雲病院
飯南病院
出雲保健所出雲--8月17〜19日
県央保健所大田--8月16〜18日
浜田保健所浜田--8月17〜19日
益田保健所益田--8月17〜19日
隠岐保健所隠岐島後8月8〜10日--
島前8月10〜12日--
19 23

(2)意見交換会・懇親会

意見交換会 平成23年8月19日(金)16:00〜
別紙のとおり
懇 親 会       〃      18:00〜

参加者数 42名

(内訳)

○本学学生 30名,山口大学 1名,福岡大学 1名,自治医科大学学生 10名
○松江地区 4名,雲南地区 8名,出雲地区 6名,大田地区 3名,浜田地区 6名,益田地区 6名,島後地区 5名,島前地区 4名
○1年生 20名,2年生 1名,3年生 9名,4年生 9名,5年生 3名

地区別実施状況

別紙のとおり

学生レポート

別紙のとおり

実習風景

別 紙

・最初に,各地区の代表者から実習について次のような報告や要望があった。

松江地区:
 山田先生は一人で診療にあたっておられるが,大変だと思った。
出雲地区:
 3日間でたくさんの施設に行ったが,地域連携やいろいろな職種の方の話を聞き,精神科の面白さを知ることができた。
雲南地区:
  (雲南病院)外科は結果がすぐ出るので,スタッフとの連携を重視している。総合医の分野に興味を持った。モチベーションが上がった。地域に親しまれ信頼され愛される医師の話を聞き,自分はどのような位置で地域医療を目指すか,今後の方向性を考える良いきっかけになった。
  (飯南病院)チーム医療の意思統一がされている。地域医療に携わる医師の精神面について学ぶことができた。
県央地区:
 中村ブレイスでは研究・制作に情熱を注がれている社員の志に心を打たれた。また,そのような患者さんに出会ったときに中村ブレイスさんの力を借りる選択枝が増えた。大田市立病院では自分が専攻する科以外の科の医療を深めることは総合医にとって必要不可欠だと思った。加藤病院では24時間365日健康管理をされており,体調が悪いときでなく,常日頃から関わりきめ細やかな対応することはへき地医療には重要であると思った。
浜田地区:
 先生方の協力,先生方とスタッフとの連携,コミュニケーションがしっかり取られており,医師が一人で対応している訳ではないことを知った。また,医師は患者・家族との信頼関係が構築されており,浜田の医療は暖かさを感じた。将来,自分もこのような医療を目指したい。
益田地区:
 1年生だったので,診察内容がわからなかったけど,地域医療の雰囲気を感じる事ができた。津和野町の職員さんが積極的に活動されている姿を見て,自分たちはそれに応えないといけないと思った。
隠岐島後地区:
 医師の人数が少ないため,一人の医師がいろいろな分野の患者を診なければならず,大変だと思った。
隠岐島前地区:
 先生方が忙しいのはわかるが,特に低学年は放置されたらどのようにしてよいかわからない。このままでは実習への意欲も失せるので改善してほしい。また,実習前に宿泊先がどこか,いくら程度現金を用意すれば良いか知らせてほしいとの要望があった。

・県立中央病院の今田先生より問診と診察でこれはどうかと思うことがなかったか意見を求められたのに対し,いきなり必要な事柄を聞くのではなく,雑談から巧みに聞くべきことを聞き取っておられたと5年生の三神君から発言があった。

・今田先生より,問診と診察で8割の疾患は診断がつくと言われている,大学病院や県立中央病院などの大きな病院では,ともすると問診・診察が後に回ったり,十分できていないままCT,MRIをし,脳梗塞などの疑いはなかったが,結局,肺炎だったなど,大きな病気だけ除外すれば良しとする医療が行われることがある。
地域では,すぐにCT,MRIがなかったり,検査をするために誰かを呼び出さなければならなかったり,今,診察中の患者を置いてまで検査をする必要があるか判断しなければならない状況である。今回,実習に行かれたところはこのようなところが殆どだったと思うが,検査は,問診や診察の裏付けであることを理解し,今後の実習や勉強に励んでほしいとのことだった。

・隠岐保健所より,島前地区については白石先生にお任せしているので,島前の報告は残念な意見だったが改善したい。また,この貴重な経験を将来に生かしてほしいとの意見があった。

・益田保健所長より,高い志を持って入学している学生がいて嬉しかった。要望がいろいろあったが応えられず申し訳なかったとの発言の後,高い志を持って入学して,不安なことがあったら教えてほしいと質問があり,各地区について発言を求めた。

松江地区:
 来待診療所は,年中,一人の医師で携わっているのは大変だと思った。女性医師のいる実習機関がなかったので,今後は女性がいる医療機関に行ってみたい。
雲南市立病院:
 3日間,オペ室に入ることができて良かったが,大谷先生は外科医でありながら,内科の患者を診ておられ大変だと思った。機会があれば,雲南地域の訪問診療も体験したい。
飯南病院:
 地域医療に携わる医師は,助けることも必要だが,人は必ず死ぬことを前提に患者さんに接する必要があることを学んだ。
出雲地区:
 総合医療センターなど医師不足が深刻であることを知った。
県央地区:
 邑智病院で救急の当直をしたが,輸血が必要になり浜田から血液を送ってもらってから,内視鏡治療をした。血液が届くまでに2時間もかかったが,そのような状況下で冷静に適切な処置ができるか不安を感じた。
浜田地区:
 将来,診療所で働きたいと思っていたが,あさひ診療所の先生の姿を見て,一人は大変であり不安を感じた。ただ,懇親会のときに浜田地区は「チーム浜田」だと言われ,3つの診療所や浜田医療センターと連携が取られており孤独感もなく頑張っていけそうな気がした。
益田地区:
 中村医院は一人なので,学会などに行くと完全に空けてしまうことになり急患に対応できない。益田地区は綱渡り状態であり,将来,帰ってきたときのことを思うと不安を感じた。
隠岐地区:
 離島ではヘリで患者搬送をすることがあるが,適切な判断が自分にできるか不安を感じた。ただし,先生方は地域医療を楽しんでいるように感じた。

・島根県医療政策課の木村先生より,総合医の専門医を取得するために,8月23日に島根地域医療支援センターを設置し,若い人が魅力を持って施設に行きたくなるようにしたい。

(谷口先生)女性医師として働き続けるために必要なこと。総合医の教育について,大学では認識が低いので,意識を高めて行きたい。がん末期,臨床倫理の問題について大きな問題がある。

(石橋先生)不足しているのは総合医も専門医の両方であると認識する人が多いが,専門医になっても将来は総合医になる。授業で習っていることは総合医になるための勉強であるのでしっかり学んでほしい。また,1年生は見学でもいいが4年生以上は自覚が芽生えているので,学年に合ったプログラムであってほしい。地域で働きたいと思える実習であってほしい。