乳がんの傷が目立たない手術を行っています

公開日 2024年04月25日

 乳がんの治療には、手術(外科治療)、放射線治療、薬物療法がありますが、手術によって腫瘍を切除するのが一般的です。腫瘍の大きさが小さい場合(一般的には2センチ以下)は、全切除に比べ体へのダメージが少なく乳房が残せる「部分切除」が可能となりますが、通常の部分切除の場合、腫瘍があるすぐ上の皮膚を切開するため、いくら乳房をバランス良く残せても、乳房表面にケロイドのような傷が残ったり赤く目立ったりすることがあります。

 

 そこで、当院では、内視鏡を使った傷の目立たない手術を開始しました。乳腺内視鏡補助手術は、乳輪沿い、腋窩(えきか/わきの下)、乳房の下などの目立ちにくい場所から小さく皮膚切開し、内視鏡を用いてがん切除を行うため、術後に正面から見ても手術の傷が目立ちません。乳腺部分切除の多くを内視鏡補助手術で行っている大学病院もあるなど、この術式は乳房のバランスや傷跡の綺麗さだけでなく、再発が少なく安全な手術として普及しています。現在は、乳腺部分のがんのみが適用ですが、近い将来全ての乳がん手術において内視鏡手術が標準となる可能性もあります。

 

 島根県内で乳がんに対して内視鏡を使った手術が出来るのは当院だけです。部分切除は術後に残った乳腺に放射線照射をすることが必須ではありますが、全切除した場合と術後の生存率は変わりません。また、乳房全切除の場合もこの内視鏡手術の技術を応用した綺麗な手術を行うことができますので、ぜひ安心して当院を受診して頂ければ幸いです。

 

【参考】

乳がんについて、当院医師がわかりやすく解説しています。

あわせてぜひご覧ください。
 

島大病院みみよりラジオ/YouTubeにリンク(音声のみ・約15分)
 

 


 

【お問い合わせ】
外科外来・乳腺センター TEL:0853‐20‐2384
HP(消化器・総合外科/乳腺・内分泌外科グループ)