公開日 2020.09.19

令和2年7月豪雨災害に島根大学医学部附属病院DMATが派遣されました。
令和2年7月豪雨災害は九州地方を中心に未曾有の災害をもたらし、死傷者100名以上の多くの被害をもたらしました。
2年前に発生した平成30年7月豪雨災害に続き、島根県の要請を受け、島根大学医学部附属病院DMATは、熊本県球磨村へ7月7日から11日まで災害支援をして参りました。
 高尾聡医師、室野井智博医師、鴨山桂子看護師、三根達也看護師、渡部高史看護師、山﨑悠ロジ、新谷貴大ロジの計7名で九州に向けて出発致しました。熊本への高速道路は普通車通行止めとなっており、他病院のDMATと緊急車両のコンボイ(隊列を組んだ走行)を組んで合同で熊本に向かいました。
 隊員の中には初出隊となる者もおりましたが、災害医療に従事する医療者としての責任を胸に、任地である球磨村さくらドームに到着しました。球磨村では、豪雨被害により道路が寸断され孤立集落が多数あり、被災者が取り残されている状況でありました。不安定な天候の中、晴れ間を見て、自衛隊機が飛行し、被災者を救出しさくらドームへ搬送してきている状況でありました。しかし、さくらドームは、吹き曝しで座る場所もなく、救援物資が山積みになっており、通信インフラは衛星電話のみ、水道も出ない環境でした。まず、我々は行政の方々と協力し、行政機能、自衛隊、消防、警察の情報を集約化し、その機能を暫定的に運営できるように整備致しました。また、自衛隊がへり搬送してきた数百人単位の避難住民のトリアージおよび救命処置・搬送を行いました。天候も蒸し暑い日が続き、また、ゲリラ的な豪雨の中での活動でしたが、地域住民の必死に災害に立ち向かおうとする姿勢に強く心を打たれ、避難住民をより安全かつ急変を未然に防ぐべく診療にあたりました。また、今回の活動は、災害に加えてコロナ感染症にも配慮した活動も必要でありました。今後もその必要性は高まると思われ、新たな側面を含んだ活動でもありました。今回の活動を糧に、なおいっそう我々島根大学医学部附属病院D M A Tは強い志を持って災害活動を続けて参ります。