災害発生時等の緊急呼び出しは、電話連絡網やメールやSNS/SMSを用いて一斉送信する方法が一般的ですが、前者の場合、手間と時間がかかり、場合によっては連絡網の最後の職員まで連絡がいかないこともありました。また、後者の場合、一回で送信できる宛先数が制限されており、短時間で多数の職員に送信し、返答内容を整理して活用することは困難でした。(図1)

そこで、当院では厚労省の事業継続計画(Business continuity planning, BCP)に対応した災害時緊急連絡システム(Smart DR: Smart Disaster Response)を導入し、「災害時職員参集情報システム」と名付けて運用しています。

Smart DRの機能は大きく分けて①緊急連絡機能、②参集職員管理機能の2つがあります。緊急連絡機能とは、災害発生時に災害対策本部から全職員へ災害発生を知らせるメールを一斉送信し、職員の安否確認と応答状況の管理を同時にできる機能です(図2)。職員は受信したメールに対してワンクリックで返信できるようになっており(図3)、その返信結果はリアルタイムで自動集計され、災害対策本部で最新の安否情報や応答状況を確認することができます(図4, 5)。また、参集した職員の受付と人員配置を同時にできる機能も有しており(図6)、予め個々の詳細情報(経験年数・部署・災害訓練経験など)を入力しておくことで、適材適所の人員配置が可能になり、医療ニーズが変化した際も迅速な人員の再配置が可能となっています(図7)。

本システムはインターネット環境があれば複数の端末で同時に閲覧・利用することができるため、災害発生直後から迅速に職員の安否確認と参集できた職員の受付から人員配置まで可能であり、災害の初動において欠かせない存在となっています。

災害時職員参集情報システムについて(図).pdf