公開日 2014年12月26日
地域医療政策学講座 廣瀬 昌博
文部科学省未来医療研究人材養成拠点形成事業で選定されました島根大学の「地方と都会の大学連携ライフイノベーション」では、地域包括ケアに適切に対応できる総合診療医の養成が目的ですが、今回(平成26年12月20日(土))は地域包括ケアに関する医療経営セミナーを開催しました。
基調講演では、厚生労働省老健局老人保健課長迫井正深先生から、社会保障をどのように支えていくかとの視点で、広域連携の必要性や県、市町村の役割が重要であること、産業医科大学副病院長松田晋哉先生からは、データに基づいた島根県の地域医療の現状、地域医療構想などに関する基本的なお話を戴きました。この中で特に地域の活性化を促すフランスの取組みの一つとして施設の社会化(socialization)のお話が印象に残りました。
また、シンポジウムでは杉谷亮島根県健康福祉部医療政策課医療専門員から島根県における地域医療構想の報告の後、それぞれ性格の異なる施設の立場から、櫻井照久同仁会理事長、加藤節司仁寿会理事長ならびに津村弘人つむらファミリークリニック理事長により、医療経営あるいはケア提供の実状について報告がありました。
その後、ディスカッションに移り、介護保険制度の改定によって生じた問題点、とくに在宅復帰率確保による弊害などに関して、お2人の講師の先生ならびに4人のシンポジストの間で活発な議論ができました。本セミナーではたくさんの方々が参加され、本セミナーに対する関心が非常に高いことがうかがえ、成功裏に終了することができました。
なお、本事業の一環で、平成27年2月1日(日)に「地域包括ケアを通じた総合診療医の養成に関するシンポジウム」をホテル一畑(松江市)において開催しますので、ご参加のほどよろしくお願い致します。
第一部基調講演でフロアからの質問に回答される迫井先生(右)と松田先生(左)
第二部シンポジウムの様子
多数の参加者で埋まった会場