公開日 2019年12月25日
去る1989年(平成元年)11月13日、旧島根医科大学第二外科にて本邦初の生体肝移植が施行されました。この移植手術が嚆矢となって今日の肝移植手術、ひいては移植医療の発展がもたらされたことは周知の事実です。これは、教室を主宰されていた中村輝久氏(第二外科初代教授)、執刀医である永末直文氏(第二外科第二代教授)のご決断と当時のスタッフの死に物狂いの努力がなければ成し得なかったものといっても過言ではありません。
本年は、2019年(令和元年)11月で実施から30年を迎えるとともに、島根大学医学部附属病院の開院40周年という節目の年にもあたります。
本学での肝移植は残念ながら途絶えてしまいましたが、日本の医療の歴史の永遠に刻まれるべきこの偉業を是非とも後世に継承すべく、当院外科学講座関係者有志が発起人となり、日本生体肝移植発祥の地としての記念碑の建立事業を開始、関係各者の協賛により、この度実現したものです。
(背面碑文)
平成元年(1989年)11月13日 島根医科大学第二外科(中村輝久初代教授)において永末直文助教授(のち第二外科第二代教授)執刀のもと、先天性胆道閉鎖症の1歳男児に対する父親からの本邦初の生体部分肝移植術が教室を挙げて成功裡に施行された。茲にその功績を称え末永く顕彰するものである。
令和元年11月吉日
島根大学医学部生体肝移植施行30周年記念事業会
On November 13, 1989, at Shimane Medical University, in the Second Department of Surgery headed by Professor Teruhisa Nakamura, Associate Professor Naofumi Nagasue (later Professor) successfully performed the first living donor liver transplantation in Japan for a 1-year-old Japanese boy suffering from congenital biliary atresia. The partial liver donated from his father was used on him. We hereby raise this monument in commemoration and honor of this great achievement.
November, 2019
The 30th anniversary commemoration committee for the performance of the first living donor liver transplantation by Shimane University Faculty of Medicine