産学連携でうつ病モニターマーカーの研究開発を開始

公開日 2021年02月24日

 島根大学医学部精神医学講座(稲垣 正俊 教授、和氣 玲 人間科学部 兼任准教授、宮岡 剛 臨床教授(松江青葉病院副院長))と免疫精神神経学共同研究講座(大西 新 特任教授)によって開発された尿ストレスマーカーを応用したうつ病モニターマーカーの研究開発を産学連携で開始します。

  うつ病は、気分の落ち込みが続き、何にも興味が持てない、注意集中力が続かないなどの症状のために日常生活に支障をきたし、生活の質を大きく低下させる疾患です。環境調整や心理・薬物療法が治療となりますが、なかなか治らないこともときにあり、その症状の変化を誰にでもわかる形でモニターする(確認する)方法を開発することが求められています。

  うつ病の原因は様々あると言われていますが、中でも何らかの過度なストレスもうつ病発の大きな原因になると考えられています。精神医学講座では、このストレスを定量的に測定するバイオマーカー研究を2005年から進め、2018年から免疫精神神経学共同研究講座がこの研究に参画し、まったく新しい尿ストレスマーカーを開発しました(特許第6737995号、特許第6817666号、特許第6811507号)。今回、精神疾患を専門とする研究開発型ベンチャー企業である株式会社RESVOや製薬会社の協力のもと、この尿ストレスマーカーを応用したうつ病モニターマーカーの研究開発を開始します。

 今回の研究と合わせ、製薬関連企業と研究開発を重ねることで、革新的なうつ病治療法の開発に繋がることが予想されます。

【用語説明】
研究開発型ベンチャー:
研究開発型ベンチャーの明確な定義はないが、一般的に、コア技術、特許権等をもとに研究開発・事業を行う比較的若い企業を指します。
モニターマーカー:
病気の状態を把握するための指標。
尿ストレスマーカー:
体がストレスを受けている時に増減する尿の成分を用いたストレス状態の指標。

<お問い合わせ>
島根大学医学部免疫精神神経学共同研究講座
特任教授 大西 新
Mail: arata●resvo-inc.com 

(※お問い合わせメール送信の際に●を@に変えてください)