AHA Journal 「Hypertension」に内科学講座内科学第一の研究論文が掲載されました(2021.4.12)

公開日 2021年04月19日

【論文タイトル】

Dietary Magnesium Insufficiency Induces Salt-Sensitive Hypertension in Mice Associated With Reduced Kidney Catechol-O-Methyl Transferase Activity

 

【概要】

マグネシウム(Mg)欠乏は現代人に多く認められる電解質代謝異常です。Mgは多くの生体内酵素活性化に必須であり、その一つにカテコール代謝酵素catechol-o-methyltransferase(COMT)が知られています。Mg欠乏食を摂取したマウスでは遺伝的にCOMT活性が弱いマウスにおいて塩分感受性高血圧が観察され、COMT活性の高いマウスではこれらが認められませんでした。この機序としてCOMT活性抑制の結果、COMTの酵素活性により産生されるエストロゲンの代謝産物、2-methoxyestradiol(2-ME)の欠乏の関与が示唆されました。2-MEには多彩な代謝改善効果、異常血管新生抑制効果、脂肪肝改善効果などが知られています。

塩分感受性高血圧は現代人において重要な、特に高血圧合併症が多い、日本人において重要な疾病です。本試験結果は、普段からの食事によるMg摂取の重要性と、COMT活性の正常化を目指した新たな治療戦略の開発の糸口となるものと考えられます。

 

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◆本件の連絡先

島根大学医学部内科学第一 

E-mail:med1@med.shimane-u.ac.jp