「COVID-19等感染者搬送時の飛沫感染防止資機材」の開発について報道発表しました。

公開日 2021年05月17日

 このたび、本学と(株)METS(出雲市)との共同研究により「COVID-19等感染者搬送時の飛沫感染防止資機材」を開発し、地域未来協創本部 地域医学共同研究部門・駐車場に於いて報道発表しました。
 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、飛沫感染防止資機材の制作検討が急がれる中、医療機関においてはガイドラインに沿った飛沫感染防止策が行われていますが、救急車内という密閉空間で活動する救急隊員ないし、救急救命処置を施行する救急救命士の為の感染防止資機材は数少ないのが現状です。
 開発した資機材はどのような形状のストレッチャー等にも簡単に装着でき、活動内容に応じて形状可変し使用することが可能です。シンプルな構造・構成部材ですが、耐久性・機能性に優れ、現場活動を行う隊員1名でも容易に取付・設置できるものとしました。特徴としては、伸縮可能な支柱で頭部または全身をガードできるフレキシブルタイプ(最大で長さ180cm×高さ70cm)とし、最大高においてはLucas(自動心臓マッサージ機)および人工呼吸器を装着した状態でも適応できる仕様としました。
 また、本資機材は今後発生が懸念される震災時、避難所での疑似症隔離や応急的な診察・治療空間を確保することが可能です。屋外活動時には風雨からの傷病者保護やフィルムを変えることでプライバシーを保護することができます。介護施設においては、感染拡大防止策として、有症状者の隔離目的としても使用できます。このように救急車内での使用に限らず、医療機関、介護施設、老人ホーム等でも活用が見込めると期待できます。
 なお、本資機材の開発は、島根県の「技術シーズ育成支援事業」の助成を受けており、その成果です。

【特許出願】
出願番号:特願2020-135508
出願日:令和2年8月11日
発明者:新谷貴大、中村守彦
権利者:島根大学

【本件のお問い合わせ先 】
  地域未来協創本部
  地域医学共同研究部門  TEL 0853-20-2912
 

 

写 真 上 :全身をガードし、自動心臓マッサージ機が使用可能。飛沫を模したスモークを発生させて
     感染防止機能を実演中。
写真左下:手前は頭部のみの使用時。ビニールはディスポーザブルで、感染性廃棄物として
     安全に破棄可能。
写真右下:資機材の全パーツ。消毒により再利用が可能で、コンパクトに保管可能。