【ニュースリリース】DHA 297 mgの摂取が高齢者の認知機能低下抑制だけでなく骨折リスク軽減にも効果 ―島根大学および加藤病院との研究をJournal of Oleo Scienceで発表―

公開日 2021年12月07日


 国立大学法人島根大学(学長:服部 泰直)、社会医療法人仁寿会加藤病院(理事長・病院長:加藤 節司)、不二製油グループ本社株式会社(代表取締役社長:酒井 幹夫)および不二製油株式会社(代表取締役社長:大森 達司)は、Journal of Oleo Scienceに以下の内容を論文掲載いたしました。

 高齢者人口が増加する先進国を中心に、世界規模で認知症などを含む加齢性疾患の罹患者数が増加しています。加齢性疾患は患者だけでなくその介助者のQuality of Lifeも大きく低下させます。そのため、この高齢者の健康課題を解決し、ウェルビーイングを実現することを目指し、DHAの機能性に注目して研究して参りました。不二製油が独自技術で開発した酸化安定性に優れたDHA含有油脂(プロレア®)の加齢性疾患への影響を評価した結果、DHAとして少量の297 mgを配合したDHA強化乳飲料を1日当たり200 mL、12カ月間摂取することで、加齢に伴う認知機能の低下を抑制すると共に、血清中骨破壊マーカーを減少させることが明らかになりました。骨破壊マーカーの減少は骨粗しょう症や骨折リスクの軽減につながると考えられています。本結果は、プロレア®を用いたDHA強化乳飲料の摂取が高齢者のウェルビーイング向上に貢献できるものと期待しております。なお、本研究結果は2020年9月のJournal of Functional Foodsに掲載された論文に次ぐ続報であり、サブ解析結果をまとめたものです。

 本研究成果は2021年12月1日にJournal of Oleo Scienceに掲載されました。
掲載先URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jos/advpub/0/advpub_ess21195/_article

論文タイトル
Intake of Docosahexaenoic Acid-Enriched Milk Beverage Prevents Age-Related Cognitive Decline and Decreases Serum Bone Resorption Marker Levels
(DHA強化乳飲料の摂取は加齢に伴う認知機能の低下を抑制し、さらに血清中骨破壊マーカーを減少させる)

筆頭著者
市瀬 嵩志 (不二製油グループ本社株式会社 未来創造研究所)

共同研究代表者
橋本 道男 (国立大学法人島根大学 医学部 環境生理学講座 客員教授)
加藤 節司 (社会医療法人仁寿会 加藤病院 理事長・病院長)

 

DHA
魚介類に多く含まれているDHAは、様々な器官に存在している重要な脂肪酸の1つです。認知度が高く、最も健康優位性が明確な栄養素とされ、様々な国や団体から日常的な摂取が推奨されています。しかし日本では、食の変化に伴い 多くの世代でDHAの摂取不足が深刻化しています。

プロレア®
 

弊社では、油脂に難溶性の抗酸化物に着目し、従来難しかったレベルの酸化安定性をDHA含有油脂にもたせることが可能になり、DHAの食品への利用が可能となりました。危害物質の少なさやサステナビリティーの側面から、 “培養生産される藻類油”をDHAの原料に選んでいます。

お問い合わせ
島根大学医学部環境生理学 
電話:0853-20-2113 Fax:0853-20-2110
E-mail:michio@med.shimane-u.ac.jp