【ニュースリリース】ベーリンガーインゲルハイム・イノベーションプライズで免疫精神神経学共同研究講座&精神医学講座の共同研究チームが大学で唯一ファイナル選出

公開日 2021年12月16日

 ベーリンガーインゲルハイム・イノベーションプライズは世界におけるトップ20製薬企業の1つでドイツに本拠地を置くベーリンガーインゲルハイムが次世代の革新的な治療法の創出活動と事業化を応援することを目的に2015年にボストンで開催されて以来サンディエゴ、ニューヨーク、東京、ウィーン、上海と世界各地で開催するイノベージョンプライズです。今回、当該プライズに島根大学医学部免疫精神神経学共同研究講座(大西新特任教授)&精神医学講座(三浦章子助教、稲垣正俊教授)の合同研究チームの成果である『ビリルビン脳症によって引き起こされる認知機能障害の分子メカニズム』を基に全く新たな治療薬コンセプトを提案した結果、30社以上の創薬ベンチャー企業が参加する中、大学で唯一ファイナルに選出されました。

題名:A Novel Treatment for Bilirubin-Induced Neurological Dysfunction (BIND)
   Shimane University, Faculty of Medicine

*Miura et al. Normalizing hyperactivity of the Gunn rat with bilirubin-induced neurological disorders via ketanserin. Pediatric research (Nature Publishing Group) https://www.nature.com/articles/s41390-021-01446-1

 

 重度のビリルビン脳症は重度の脳機能障害を引き起こすことが知られています。近年、軽度のビリルビン脳症でも脳神経に悪影響を与え統合失調症や注意欠陥多動症(ADHD)などの精神疾患発症リスクになることが報告されています。しかしながら軽度ビリルビン脳症に由来する精神疾患は治療法が確立していません。2021年に島根大学医学部免疫精神神経学共同研究講座と精神医学講座の合同研究チームが世界で初めて軽度ビリルビン脳症によって認知機能障害が起こるメカニズムの一端を解明しました(Miura et al. 2021)。解明されたメカニズムを基礎とすることで新薬が開発出来る可能性があることから、ベーリンガーインゲルハイム・イノベーションプライズに全く新たな治療薬コンセプトを提案したところ、ファイナルに選出されました。今回の選出は当該治療薬開発に向けた国内外の製薬企業との提携の弾みになるのではないかと期待されます。

 

◆本件に関するホームページ                                                        

https://www.boehringer-ingelheim.jp/innovation-prize/20211104_01

ベーリンガーインゲルハイム

https://www.boehringer-ingelheim.jp/

 

◆お問い合わせ

島根大学医学部 免疫精神神経学共同研究講座 特任教授 大西 新 (おおにし あらた) 

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