医学部における解剖学実習のためのご献体に関する不適切な対応事案について

公開日 2022年04月27日

 この度、本学医学部において、医学の教育と研究のために崇高な篤志の上に賜った尊いご献体に対して保存のための処置が適切になされていなかった事案が判明いたしました。
 本事案によりご献体いただいた方々の崇高な御心に十分にお応えできなかったこと、またご遺族の皆様をはじめ、有終会(島根大学医学部に献体登録をされた方々で組織されている篤志団体)会員の皆様、関係する皆様に多大なるご心痛を与え、ご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。

 

1. 事案の概要
 令和4年3月10日、ご献体をお引き受けした後に行う保存のための処置が適切に行われていなかった複数のご献体を解剖学実習の担当教員が発見しました。令和4年3月17日までに状況を確認したところ、お預かりしているご献体は合計112体あり、そのうち50体には適切な処置が行われていませんでした。処置が不十分であったご献体には、保存のためにできるかぎりの処置を直ちに行いました。また、状況確認の過程で個人識別の確認を要するご献体が複数あったため、AiCT(死亡時画像診断)を実施し、3月末までに全てのご献体の確認を行いました。

2. 調査体制
 本事案の発覚後、直ちに学部内に「対策本部」を組織し、原因調査を行っています。また、有識者から構成される「外部調査委員会」によって第三者の視点から調査が進められています。

3. 原因
 ご献体の不適切な管理および、適切な処置の未実施という事態を把握できなかったことは、本学医学部におけるご献体業務に関わる組織の管理体制の不備が一因であったと考えております。

4. 対応と再発防止策
 医学の進展のためにご献体いただいた崇高な御心に対して、そのご期待に応える使命と責任を十分に果たせなかったことに対して、深くお詫び申し上げます。先ずは、ご遺族および有終会の皆様への対応を優先し、ご遺族の皆様には、新型コロナウイルス感染症の拡大状況をみながら、関係者が謝罪と説明に伺わせていただきます。また、責任をもって社会に対する説明を継続いたします。
 このような事案が二度と生じないように、原因の更なる調査を進めるとともに、再発防止にむけ、医学部内にご献体関連業務の改善に関する委員会組織を立ち上げ、抜本的な組織の見直しと管理体制の強化をはかる所存でございます。さらに、ご献体の意義を全職員と学生が共有し、意識改革を進めてまいります。

5.問合わせ窓口の設置
 今回の事案に関し、ご遺族の皆様のご心情に十分に配慮した対応ができるよう電話窓口を設けさせていただきました。ご不明な点やご要望があれば窓口までご連絡願います。

●対応電話窓口(TEL:0570-78-3513)
●期間・時間:令和4年4月27日(水)~5月31日(火) 10:00~19:00

 

 

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