公開日 2022年09月29日
医学部眼科学講座の谷戸 正樹(たにと まさき)教授・杉原 一暢(すぎはら かずのぶ)助教はウシオ電機株式会社(以下、ウシオ電機)と共同で、222 nm紫外線を室内で照射した際の眼の長期安全性と病原微生物不活化効果を確認しました。
従来から紫外線殺菌に広く用いられる254nm UV-Cは細菌やウイルスに対して効果的ですが、人間の皮膚や眼には有害で少しの線量でも紅斑や角膜炎を起こす恐れがあります。一方、本研究にも用いられた222nm Far UV-Cは、動物実験で眼や皮膚への安全性が確認されているため、人にとっても安全な条件下で細菌やウイルスを不活化することが可能な室内紫外線照射への応用が期待されます。しかし、実際に人での眼の安全性を長期間確認した報告はありませんでした。
本研究では、波長222nmをピークに持つエキシマランプに特殊な光学フィルターを組み合わせることでヒトに悪影響を及ぼす230nm以上の波長をカットした、ウシオ電機の抗ウイルス・除菌用紫外線技術「Care222®※」搭載ユニットの設置前後で診察室を日常的に使用する医療従事者の紫外線による目の障害の有無を1年間にわたり確認しました。
研究の結果、222nm Far UV-C 室内照射を行っている環境下における眼の安全性の長期評価と、高い微生物の不活性効果を有することが示唆され、2022年9月8日付でPhotochemistry and Photobiology誌に掲載されました。
※「Care222」は、ウシオ電機株式会社およびUshio America, Inc.の商標または登録商標です。
詳細はこちら(資料提供 ウシオ電機株式会社)
◆本件に関する写真
●眼科外来診察室における「Care222®」搭載ユニット設置の様子(左:設置位置の様子、右:診察の様子)
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総務課企画調査係
TEL:0853-20-2019
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