公開日 2023年10月19日
近年、医学部、歯学部、薬学部などで薬理学実習などの動物実習を行う際、実験動物の購入・飼育・取扱いに多額のコストがかかることや、実習を指導できる教員や実習機器購入資金が不足していること、といった課題が顕在化しています。これに加え、動物愛護の観点からも、国際的に動物を使用した実験が厳しく制限されています。
このような情勢をふまえ、島根大学は医学部薬理学講座 教授 和田孝一郎 監修のもと、薬理学VR(バーチャル・リアリティ:仮想現実)ソリューション『BMP-VR』 Basic Medicine Practice - Virtual Realityを企業と共同開発しました。
令和5年10月2日(月)、島根大学医学部において、共同研究・開発を行ったアバンテック株式会社(本社:大阪府、代表取締役 吉川東輝)、販売を担当する株式会社ERISA(本社:島根県松江市、代表取締役 河原八郎)とともに共同記者会見を行いました。
会見で和田教授は、「マウスに薬剤を投与する実験の観察が繰り返しでき、リアルな映像で記憶に残ります。動物を使用せず、設備、人件費の面でも効率的。VR実験後の学生からのレポート内容からも学習効果の高さがわかり、手ごたえを感じています。」と述べました。
VR導入後、本学の薬理学の授業で使用した実験動物数はこれまでの1/4になっており、今後さらに減らすことができるということです。
記者会見後は報道関係者に製品を実際に体験していただきました。本製品では実験映像の他、学習の合間に美しい景色の映像も楽しむことができます。
今後、医学系教育機関等での薬理学実習への導入が期待されます。
記者会見の様子(左からオープンイノベーション推進本部 准教授 辻本 和敬、
医学部薬理学講座 教授 和田孝一郎、前医学部長 鬼形 和道、アバンテック株式会社代表取締役 吉川東輝氏、株式会社ERISA代表取締役 河原八郎氏)
VR体験の様子
薬理学実験のVR映像