【学生取材】レスター大学海外研修(医学部国際医療プログラム)体験記

公開日 2023年11月17日

 広報サポーターが医学部の海外研修について紹介!国際医療プログラムに関心のある方、ぜひ参考にしてください。

 広報サポーターの医学科3年の山下瑠介です。今回は私が8月に参加したイギリス・レスター大学の医療英語サマープログラムについて書かせていただきます。
 このプログラムは、世界中の医学生・医療系学生がレスター大学に集まり、ポスタープレゼン・医療面接・イギリスの医療制度などを3週間にわたって学ぶというものでした。私は以前から医学生のうちに海外の大学の授業を体験し、海外の医学生との交流を深めたいと思っていたので、医学英語の授業の時間に岩田先生からこのプログラムの紹介があり、これだ!と思って参加することを決意しました。英語が得意でもなく、これまで一度も海外に行ったことがなかった私にとって、プログラムへの参加は期待と同時に不安に思うことがありました。しかしながら、プログラムに参加してみると英語を通じて人とつながり、交流を深めることの面白さに気づかされ、あっという間に時間が過ぎていきました。

 ポスタープレゼンの授業では最終週に行われるポスタープレゼンに向けて、論文資料の調べ方、見る人がわかりやすいポスターの作成の仕方、発表の仕方などを学びました。ポスタープレゼンは3人一組で与えられた一つの医療テーマについて発表を行います。私は中国の医学生二人とグループを組み、糖尿病についてプレゼンすることになりました。最初はすべて英語で授業を聞き、英語で意見を言うことに苦戦しましたがクラスメートの子たちがみんな優しく、日を重ねるにつれ失敗を恐れずに発言したりすることができるようになり自分でも驚きました。また、授業外でも同じプレゼングループの子たちと打ち合わせを行ったり買い物に行ったりすることで親交を深め、楽しみながらプレゼンの準備をすることができました。そして、最終週のプレゼンではプレゼン会場に来た人たちに糖尿病について、できるだけ難しい言葉を使わずに作成したポスターを用いて説明を行いました。最初の週はなかなか自分が言いたい英単語やフレーズが出てきませんでしたが、スムーズに説明をし、質問にも対応できたことがとても嬉しかったです。また、海外の学生と協力して一つの物事を成し遂げることができたときの達成感はとても大きかったように思います。

 

↑ポスタープレゼンのメンバーと作成したポスター

 医療面接の授業では一人の医師として患者に対して問診を行うときにどのような風に患者に接し、どのような項目を尋ねるかということを学び、クラスメートと医師、患者役になり、学んだ内容を実践していきました。この授業形式が1、2年の時の医学英語の授業と少し似ており、また授業で出てきた内容も実用英語演習の授業で習った内容と少しかぶっていたこともあり、割とすんなりと理解でき、島根大学の医学英語教育は充実していると改めて感じました。
 イギリスの医療制度(NHS)について学ぶ授業でも、クラスメートとのディスカッションが中心でした。自国の医療制度とNHSを比較したり、NHSの利点と欠点を挙げていったりすることでNHSの特徴や歴史的背景について学んでいきました。日本と比べても、共通点や異なる点がそれぞれ多く、日本で授業を受けていても教えてもらえないようなことを知ることができ、とても良い機会になりました。

  ←ディスカッション形式の授業風景

 このようにどの授業も基本的には何人かで話し合ったりして先生の問いかけに応えていくようなスタイルだったので、普段座学の授業ばかり受けていた私にとってはとても新鮮で、一コマ90分の授業があっという間に感じました。また上記の3種類のメインの授業に加え、GP(家庭医)の先生、研究医、助産師、医学生などによるゲストレクチャー、附属病院での患者モデル人形を使った採血・注射の練習、解剖実習室の見学、GPの診療所の見学等がありとても充実した内容でした。

 

↑附属病院での手技の体験(左)とゲストレクチャー(右)の風景

 授業がない土日はロンドンやオクスフォード、マンチェスターといった都市へ観光に行きました。
 歴史が好きな私は、ロンドン観光のほとんどの時間を大英博物館の見学に費やしました。世界史の教科書や資料集で何度も見たことがあるロゼッタストーンをはじめ、たくさんの宝物を見ることができて大興奮したとともに、博物館内を見学し尽くすには数日でも足らないと悟り、また絶対にイギリスに来て大英博物館に行きたいという気持ちが湧きました。

 

↑大英博物館のロゼッタストーン(左)と国会議事堂(右) 

 マンチェスターでは名門サッカーチームのマンチェスターシティの本拠地であるEtihad Stadiumのスタジアムツアーに参加し、選手のロッカールームに入ったり選手の入場ゲートからフィールドに入ったりすることができ、こちらもサッカー好きの私にとっては最高の時間でした。

 

↑マンチェスターのEtihad Stadium(左)とオクスフォードのクライストチャーチ(右)

 最終日の昼はレスターにあるBradgate Parkという大きな公園に遠足に行き、夜はパブでプログラムをともに過ごした仲間たちやお世話になった先生たちとFarewell Partyを楽しみました。Farewell Partyではビュッフェ形式で食事を楽しみながら卓球をしたりしてレスターでの最後のひと時を満喫しました。とても楽しい最終日でしたが、それと同時に3週間をともに過ごした海外の仲間たちとの別れはとても悲しいものでした。中でもポスタープレゼンで同じグループになり、プログラムで一番仲良くなった中国人の男の子とは最後に寮の共同スペースで二人で話をし、お互い中国・日本に来たときはまた必ず会おうと約束しました。

 
 ↑Bradgate Parkでの遠足(左)とFarewell Party(右)の様子

 最初はプログラムの参加を不安に思っていましたが、英語でのコミュニケーションを通じて海外の医学生たちと交流し、充実した時間を過ごすことができました。もっと英語を話せるようになりたいと思ったのと同時に、海外の医学生の積極的に学習しようという前向きな姿勢に刺激を受けました。これからも医学や語学の学習に励み、再び海外研修に参加したいと思います。

 島根大学医学部ではこういった医療プログラムの紹介をしてもらえるだけでなく1、2年生でのニュージーランドへの海外研修をはじめとした様々な国際交流プログラムが設けられています。私のように海外経験が少なく、語学等に不安がある人ほど海外研修に参加して得られるものが多いと思うので、少しでも海外に興味がある方はぜひ島根大学医学部で積極的に海外研修に参加してほしいと思います。


広報サポーター 山下瑠介