公開日 2024年05月14日
放射線科の槇原侑子医師(当時)が、2024年2月23・24日に開催された日本画像医学会の学術集会において、会長賞を受賞しました。この学術集会では、画像を中心として各診療科医師、放射線診断医、病理診断医の三者が連携が重要視されており、多岐にわたる診療科の医師が参加しています。
この度、槇原医師は「悪性リンパ腫精査中に偶発的に発見された尿管病変の一例」について発表し表彰されました。具体的には、悪性リンパ腫にかかった方の病気の広がりを調べていたところ、尿管(尿の通り道)に腫瘤が見つかり、この腫瘤が悪性リンパ腫病変なのか、尿管にできた別の悪性病変なのか、それとも良性病変なのか区別することが求められました。これまでの病歴とMRIやPET-CTなどの画像検査を用いて、良性とされているある疾患の可能性が高いと判断し、その後の診療を適切に進めることができたそうです。
悪性疾患の場合、治療方針決定のため病気の広がりを正確に診断する必要があります。ただ、悪性疾患にかかった人が別の良性疾患を有することもあり得るため、画像検査では悪性か良性かの見極めが重要です。今回の症例では、尿管という管の壁が分厚くなっていましたが、一方で内腔が滑らかに保たれていることや病変と正常部の境目がくっきりとわかれている点など、良性の形態的な特徴が見られたため、良性と判断したということです。
今回の症例で得た経験は、どの患者様にも応用できることであり、今後日々の診療に生かしていきたいとのことでした。
【槇原医科医員コメント】
今回光栄な賞をいただくことができました。日々ご指導いただく放射線科の先生方やスタッフの方、疾患のことを詳しく教えていただいた泌尿器科・病理診断科の先生方のおかげです。また、何より患者様から学ばせていただくことが多いと日々感じています。
今後もこの賞を励みとして、頑張っていこうと思います。
【お問い合わせ】総務課企画調査係 TEL:0853-20-2531