公開日 2025年07月10日
老化は、がん、2型糖尿病、慢性腎臓病(CKD)を含む生活習慣病の危険因子として知られています。生活習慣病などによる健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間、すなわち「健康寿命」の延伸は、超高齢化社会を迎える日本において最重要課題の一つです。
百寿者(100歳以上の人)は健康長寿のモデルとされ、老化・寿命研究の分野で大きな注目を集めています。島根県には10万人あたり約160人の百寿者がいますが、全人口における百寿者の割合が島根県は全国平均の2倍以上で、12年連続全国最多(2024年9月時点)を誇っています。
そこで、腎臓内科学では、百寿者研究の世界的な研究拠点である慶應義塾大学医学部・百寿総合研究センターと共同し、出雲市役所の協力のもと、島根県の百寿者を対象とした臨床研究を開始しました。
本研究においては、百寿者のライフスタイル(食生活、職歴、社会的環境など)の調査、ゲノム解析、尿サンプルのメタボロミクス、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:腸内フローラ)の解析などを行います。このたび、百寿総合研究センターの新井康通先生にもご同行頂き、最初の試験参加者である出雲市在住の100歳の女性を訪問いたしました。被験者の方の快活さ、記憶力には非常に驚かされ、百寿者の元気さを実感する貴重な機会となりました。
今後もさらに本研究を進め、島根県の百寿者から元気で長生きの秘訣を探って行きたいと思います。
左から𠮷野准教授、百寿総合研究センター新井康通先生、出雲市在住100歳の女性、神田教授
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