医学科5年生の論文が国際誌に採択されました

公開日 2025年12月24日

 医学科5年生の山本陽南(ひなみ)さん、大平幸子(ゆきこ)さんらが共著者として参画した研究論文が、国際的な医学雑誌『Postgraduate Medical Journal (PMJ)』に見事採択されました。

 本研究は、医師の専門分野の選択が、特に「医師である父親を持つこと」(オッズ比約14.5倍)や、都市部での出生と極めて強い関連があることを、日本人医師の全国データを用いて初めて実証しました。また、高所得家庭出身の医師の割合は、脳神経外科や皮膚科などの特定の専門分野で特に高いことが示され、親の社会経済的状況(SES)が日本の医師のキャリア形成において重要な要因となっていることが確認できました。これは、医療の公平性や医師のキャリア形成における重要な課題を提示する、極めて社会性の高い成果です。

 

 総合診療医センターは、地域で活躍する総合診療医の養成に向けて、地域だけでも大学だけでもないメンバーが主体的に教育・臨床・研究・リーダーシップを提供しています。 その中で、医学生の二人が主体的に研究活動に参加し、今回の臨床の疑問を出発点にこの大規模研究を完遂しました。この経験を通じ、二人は医療を社会構造的な視点から捉える力を養っています。

 

 昨今、大学における研究能力の危機が報道されていますが、彼らのように学生時代から研究に興味を持って取り組む学生が本学には多くいます。私たち教員も、より多くの学生たちに研究の魅力を伝え、研究マインドを育てていきたいと思います。

 

研究成果詳細についてはこちら(外部サイトにリンクします)

 

 

総合診療医センター

山本陽南さん(写真最前列中央)と総合診療医センターに集う学生たち

 

 

【お問い合わせ】総務課企画調査係 TEL:0853-20-2531