【学生取材】第68回全国医学生ゼミナールin島根 開催レポート

公開日 2026年01月07日

 2025年8月15日から17日の3日間にわたり、島根大学出雲キャンパスにて第68回全国医学生ゼミナールin島根(以下、医ゼミ)が対面開催されました。医ゼミは、医療系学生によって企画・運営されており、全国各地の学生と職種の垣根を超えた学習・交流を行っています。その第68回目の医ゼミの主管校を20年ぶり3回目となる島根大学が務めました。「『生き方』を支える地域医療~島根で探す私たちの未来~」をテーマに、講演会や学生発表などさまざまな企画が行われ、学生99名、一般参加88名と多くの方に参加していただきました。
 

  1. 基調報告
    基調とは「企画の根底に一貫して流れる基本的な考え方」のことをいい、毎年参加者全員で欠かさず確認しています。基調報告の中では、今までの医ゼミの歩みと、現在私たちが置かれている社会情勢を通して、今年で68回目を迎える医ゼミがどのようなものなのかを確認しました。

    1.基調報告
    医ゼミの歩みと社会情勢を振り返り、今年のテーマを確認する参加者
     
  2. メイン企画「『生き方』を支える地域医療~島根で探す私たちの未来~」
    メイン企画では、全国で行われてきた一年間の医ゼミでの学び、全国準備委員会や各地の自主ゼミ活動、全国準備期間での学習を統括しています。今回のメインテーマは、「『生き方』を支える地域医療〜島根で探す私たちの未来〜」でした。地域医療には様々な側面がある中、今回は「多職種連携」という観点から地域医療を覗いてみました。医療にかかわる様々な職種の「視点」について考え、どのように地域医療を支えていくのかを、参加者ひとりひとりの「視点」で考えました。
     
  3. 平和企画「継承の戦後80年~私たちが平和のバトンをつなぐには」
    今年の平和レポートのテーマは「平和教育」でした。戦後80年である今、日本では戦争を体験した方が減少し、直接お話を聞ける機会が少なくなってきています。これまで日本の平和教育では、戦争の記憶を次世代へ継承することが大切にされてきましたが、今私たちは、その転換期を迎えているといえるでしょう。戦争を二度と起こさないために、これからの平和教育の在り方や、私たちがどう関わっていけるかを考えました。
     
  4. 講演会


    「隠岐での実践、総合診療医育成~ゲームチェンジャーとなるために~」

     隠岐広域連合立隠岐島前病院 院長
     島根大学医学部附属病院 総合診療医センター センター長 白石吉彦先生

    医ゼミ初日(8月15日)に隠岐広域連合立隠岐島前病院院長の白石吉彦先生をお招きし、講演会が開催されました。講演会では、離島医療の最前線で28年間にわたり実践されてきた白石先生が、ご自身の経験に基づき、これからの地域医療のあり方と総合診療医に求められる役割についてお話しされました。

    4.白石先生講演会
    離島医療の現場から、総合診療医の役割を語る白石先生

     

    「多職種連携のこれまでとこれから~共通言語が生み出す化学反応:南砺マルモカンファレンスの挑戦~」

     南砺市民病院内科 副部長・総合診療科 副部長 大浦誠先生

    2日目(8月16日)の講演会では、南砺市民病院総合診療科の大浦誠先生に、地域医療と多職種連携、南砺マルモカンファレンスや地域との関わりについてご講演いただきました。終わりには、医学生の皆さんへということで、今からできるポイントもお話ししていただきました。「私たちは未来の多職種連携の担い手です。学びを全国に広げよう。」という言葉で講演会は締めくくられました。

    ※マルモカンファレンス:多疾患併存を対象にした多職種連携カンファレンスのこと

    4.大浦先生講演会
    南砺市での多職種連携の挑戦について熱く語る大浦先生
     

  5. ランチョンセミナー「胸部X線グランプリ」
    島根大学医学部 地域医療教育学 教授 長尾大志先生

    3日目(8月17日)の昼休憩には、「やさしイイ胸部画像教室」の著者としても有名な長尾大志先生により、ランチョンセミナー「胸部X線グランプリ」が開催されました。ミニレクチャーで読影のコツをつかんだ後、リアルタイムでコメントができるツールを用いてクイズ形式で読影を練習しました。匿名でいつでも自由に質問ができるため、低学年や読影に自信がない学生でも安心して企画に参加することができました。お弁当を食べながら楽しく気軽に読影を学ぶことができ、大変充実した時間となりました。

    5.胸部X線グランプリ
    胸部X線の読影ポイントを解説する長尾大志先生
     
  6. 医学連企画
    医学連企画は、医ゼミを主催する医学連が「学生自治の意義や楽しさを知ってほしい」という願いのもと設けている企画です。大学生活を振り返ること、「自治」について考えること、医学連の存在を知ること、これらを目標としてワークショップ形式で開催しました。企画では、まず大学生活の特徴や、生活の中で困っていること、問題が生じたときにどう対処しているかについて考えてもらいました。議論したことを共有し、自治について学んだ後、具体例として「ある大学の実習着に関する悩みとその解決の取り組み」に触れました。さらに、最初に挙げた大学生活に関わる悩みを再度考え、最後に医学連という団体について紹介しました。
     
  7. 分科会
    分科会は、学生が自分の興味のある分野について学び、発表する場です。68島根医ゼミでは「こども食堂ボランティアを通して」、「哲学プラクティスをやってみよう!」、「富津でみた地域医療」「上手に怒る~アンガーマネジメント~」「民話にひそむ日本のこころ 八雲の作品から考える」など、合計19個の分科会が行われました。医療に関する内容だけでなく、社会問題や個人の体験など、さまざまな分野の発表を聴くことができるため、多方面の学びにつながりました。

    7.分科会
     
  8. 交流会
    各日の企画終了後に交流会を行い、参加者が自由にコミュニケーションを取れる場を設けました。参加者が思いのままに語り合い、学部・学科や学年を超えた絆を深めることができました。

 

 今回の68島根医ゼミでは、県内外から多くの参加者が島根大学に集い、「地域医療」と「戦後80年」をテーマに学びました。学習だけではなく、学校学年を超えた学生同士の交流という面でも充実した場になったのではないでしょうか。2025年の夏を素敵に彩る企画が、ここ島根大学医学部で開催されていました!
 

集合写真


島根大学医学部学生広報サポーター Y.H.

 

【お問い合わせ】総務課企画調査係 TEL:0853-20-2018