教育理念・教育目標

(1)目的

 近年、科学技術の発展はめざましく、医療分野においても先端技術の高度化、関連職種 の専門分化が進展し、保健医療を取り巻く社会情勢は大きく変化した。特に、高齢社会の 到来に伴って疾病構造が変化した結果、病気や障害を抱えながら地域社会の中で日常生活 を営む人々が急増し、在宅看護や介護など、保健・福祉・医療にかかわる看護ニーズが拡大 し、多様化してきている。また、心身症や自殺者の増加など、心のケアを必要とする健康 問題への支援が求められている。

 とりわけ島根県は老年人口比率が高く、わが国の高齢社会の抱える問題を先行して体験 していることに加え過疎化が進行する離島や中山間地域を抱えているところから、住民に 豊かな保健・医療・福祉サービスを提供するためのシステムを模索している現状にある。 こうした健康問題の社会的・地域的要請に応えていくためには、高度な看護実践能力を 持ち、保健・医療・福祉の有機的連携を調整する役割を果たせる看護専門職者と看護学研究 者の育成が必須である。

 本研究科は、豊かな人間性と幅広い視野をもち、科学的な視点と看護学の理論に支えら れた卓越した看護実践能力と、創造的な教育・研究能力を持つ人材を育成し、看護学の発 展と地域の保健・医療・福祉の向上に寄与することを目的とする。

(2)目標

 各種医療機関、保健・福祉施設、教育・研究機関等で活躍する看護学分野における専門性 の高い人材の育成を行う。

  1. 高度な専門職業人の育成
    看護の対象となる人々のQOL の向上や看護ケアの質の向上を図るために、深い人間理解 と高度で専門的な知識と技術を有し、専門領域の分野で卓越した看護を提供できる能力を 持つ人材を育成する。広い視野で保健・医療・福祉の資源を有効に活用し、一般看護職者の ケアの質を向上させるための教育的機能を果たすとともに、専門分野の看護実践の場にお ける研究活動を推進し、看護学の発展に寄与することのできる人材を育成する。
  2. 教育者・研究者の育成
    学部教育で修得した専門的知識と技術を基盤にさらに学識を深め、看護学の体系化と看 護技術の開発を積極的に推進していく能力を育成する。看護学の最先端の理論と知識、方 法を学び、急速に進展している看護学の高等教育を担う人材を育成するとともに、博士課 程へ進学し研究者として自立できる能力を有する人材を育成する。

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